今冬は尋常でない大雪が続いだ。2月8日、2月14日と二週続けて降った雪はここ数十年経験したことのないほどの大雪で山梨県は甲府でも1m20cm、山沿いでは1m60cmを越え、玄関から一歩も外に出られない状態が1週間も続いた。中央線や中央道は当然止まり、早川町で住民が孤立、重要な観光資源であるブドウ畑は壊滅的な大被害を受け立ち直るまでには10年単位の時間がかかるようだ。
そんな大雪の影響で当初3月2日に強羅の「風の音」へ行く予定だったが、14日の大雪がまだまだ箱根の山道に大量に残っていたため、止む無く1週間延期して3月10日に箱根路へ。小田原の早川港の市場食堂で昼食とってから、湯河原にある幕山公園の梅林へ。平日にもかかわらず公園へ続く道路は車も人も多い。今年は寒かったせいか3月中旬の今頃がちょうど見頃だ。ここの梅林は山の斜面に白やピンク、紅梅などが広がり、全体が薄いピンクの薄墨のようなもやっとした感じに見える。木のテーブルが置いてある広場の周囲には食べ物屋が並び、何人かのグループや家族連れが休憩したり、軽食をとったりしている。梅林中の散歩道は山の斜面のためこう配があり、軽装の観光客に混じり、登山靴を履いた登山グループのような梅見客も目に付く。
帰りに道路脇の無人の売店で湯河原みかんを1袋100円で買い箱根路へ。
「風の音」はリニューアルして洋風に生まれ変わり、外観も建物内も部屋の中も非常におしゃれなつくりになっている。2階から見える狭い小さな中庭には雪が残っている。
食事は3Fの落ち着いたレストランでイタリアンのフルコース。宿泊客のほとんどが熟年の夫婦でお酒を飲みながらゆったりと食事を楽しんでいる。お風呂は箱根特有の乳白色のやや熱めの風呂と、ややぬるめの気泡のお風呂があり両方楽しめる。
夜のコーヒーはエスプレッソだったが、朝食は普通のコーヒーがあったので助かった。風の音を10時にチェックアウト。両側に雪の残る山道を登って大涌谷へ。この日は快晴で真っ白な富士山が青空に映える。
名物の黒タマゴをお土産等に購入して本日の目的地である沼津港へ。箱根から山越えの途中、旧箱根街道の近くに、当時、圧倒的な秀吉軍に敗れあっという間に落城したという北条軍が築いた山中城跡地を散策。発掘された城の跡地だけで石垣も建物もない。山の斜面にある敵を防ぐ堀として使った長い畝がかろうじて当時の面影を残す。近くに数件の民家があるが観光客らしき人は歩いていない。
沼津港で新鮮なおいしい魚でお昼を食べるつもりだったが、よさそうな店は並んでいて入れない。仕方なくちょっと大きめの回転ずしに入ったが残念ながらハズレ。漁港内にある展望台に行く途中の建物2階のすし屋さんのほうがおいしそうだった。次回は捲土重来を期す。