
持続可能な地域づくりのチェックリストを開発している。
地域の持続可能性に係る15の評価領域を設定し、また主体と地域との関与に係る6の評価領域を設定し、さらに主体の幸福度も含めて、すべて5段階で回答するチェックリストを作成した。
このチェックリストをスコア化して、主体の幸福度を目的変数とし、地域の持続可能性の領域別スコア及び主体と地域との関与の領域別スコアを説明変数として、重回帰分析をしてみると、大変興味深い結果が得られている。
詳しくは、これから投稿論文にして仕上げていくが、特徴的な結果を以下に示しておく。
・日本全体でみると、幸福度を規定する要因としては、主体と地域との関与のうち社会、環境、環境・社会面、地域の持続可能性のうちアメニティの側面が抽出された。幸福度は、地域の状況よりも、主体と地域との関与により強く規定されるという点が興味深い。
・性別にみると、男性の幸福度は、女性に対して相対的に地域の経済状況に強く規定されている。これに対して、女性の幸福度はアメニティや社会面での地域との関与に規定されている。
・居住地の都市規模別に分析した結果では、都市規模によらず、社会面での主体と地域との関与が幸福度を規定している点が注目される。都市規模別の特徴では、町村居住者の幸福度は教育・就労環境に規定される傾向が強いことなどがあげられる。
なお、上記において、例えば、主体と地域との関与のうち社会でのチェックリストは次のものである。統計的に有意なものに絞りこんで、各領域毎に3つのチェックリストを作成し、その3つの回答の平均スコアを、各領域のスコアとしている。
主体と地域との関与のうち社会面でのチェックリスト
・地域内の趣味や社会活動に参加している
・伝統的な祭りや行事に参加している
・地域の防災関連の活動に参加している