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長野県飯田市のことを意識したのは、持続可能な地域づくりの具体像を明らかにするために、事例研究をしていた1990年代半ばのことだろうか。確か、シンポジウムで天竜峡のエコタウンの事業の話を聞いた覚えがある。
その後、国土交通省・環境省の委託調査で、持続可能な地域づくりを計画する指標開発の仕事で、飯田市を訪ねた。環境をテーマにした地域づくりに熱心な飯田市において、循環と共生、参加の観点から、定量的な計画のモデルプランを作成し、それを汎用化してマニュアルにするというものだった。
ワーキングホリデーのことを熱心に語る市役所担当者が印象的であった。また、市役所職員一人ひとりが自分の思いとして、地域づくりや環境のことを語ってくれた。市役所職員の元気さをみると、地域の活性度がわかるという私の持論はそのときに生まれた。
飯田市は、環境省の「環境と経済の好循環のまちモデル事業(まほろば事業)」にも選ばれた。たくさんの事業を盛り込んだ飯田市の事業は、飯田市内外の多くの人の知恵を感じさせるものであった。本研究で着目している市民共同発電事業(南信州おひさま進歩エネルギー)が、その時に立ち上がった。
環境省のまほろば事業は、私にとって大変印象的であった。ハードウエアとソフトウエアを一体として実施する、3ヵ年の継続し、事業の効果測定を行い、その成果を事業実施2年後にも行う等の工夫があり、総合環境行政を担う環境省の良さを具現化した、よい事業だったと思う。
2年前には、国の環境基本計画の進行管理のための指標開発の仕事で、飯田市を訪ねた。第3次環境基本計画の重点プロジェクトである「環境保全のための人づくり・地域づくり」に関する指標を開発する仕事だった。
私は、この指標について、「地域環境力」という概念を環境省に提案し、採用された。「地域環境力」は、元々は環境白書等で提案されたものだが、それを「主体個々の力」と「主体間の関係の力」と定義した。「主体間の関係の力」は、環境政策においても注目されてきている「社会関係資本」に相当する。
この指標開発のために、「地域環境力」が高そうな全国5地域でモデルスタディを行った。飯田市では、市民共同発電の他に、地域ぐるみ環境ISOの取組み、環境基本計画への市民参加等が注目された。
特に、地域ぐるみ環境ISOでは、「企業間の関係の力」に相当する取組み事例が少ないなか、画期的なものである。環境基本計画への市民参加では、当時の行政職員自身が計画策定にのめり込み、その後の環境政策の基盤となったという。手づくりの計画書を、2度ほど拝見したことがある。分厚い計画書には、熱い想いが込められている。
さて、今回、信州大学の客員研究員の立場で、飯田市民のアンケート調査を実施する機会を得た。持続可能な地域づくりを、環境イノベーションの普及と「地域環境力」の相互作用という切り口で研究しようと考えていた私にとって、飯田市は最適な研究フィールドとなった。
市民アンケートにはサンプリングが必要であり、そのために市役所を訪問し、南信州おひさま進歩エネルギーにもいろいろと協力を依頼した。
感謝の気持ちを込め、恩返しとして、集計・分析、報告書の取りまとめを行った。いずれかの機会に発表をしていく予定である。
また、飯田市での研究は、アンケート調査で終了ではない。今後はアンケートで得た知見をもとに、飯田市内の関係主体へのヒアリング調査を行い、掘り下げを行っていく予定である。本研究の成果は、環境省先進地・飯田市の取組みに関する確かなデータを全国に紹介するものに留まってはいけない、飯田市自身の今後の取組みに役立つものでありたいと考えている。
最後に余談。
飯田市で住民と会話をしていると、私のふるさと遠州と同じ言葉だと感じる。天竜川でつながり、木材の搬出等経済的にもつながりが強いのだから、当たり前かも知れないが、距離はだいぶ離れているから、予想外であった。
浜松市役所をたずねると、三遠南信の取組を進めていることもあって、飯田市職員の方が出向していたりする。環境先進地が身近であることを感じる。浜松市も、三遠南信を推進するのであれば、飯田市の取組みについて、もっと多くのことを学ぶ必要がある。ふるさとを応援する気持ちがあるからこそ、浜松市の関係者にそう申し上げたい。
その後、国土交通省・環境省の委託調査で、持続可能な地域づくりを計画する指標開発の仕事で、飯田市を訪ねた。環境をテーマにした地域づくりに熱心な飯田市において、循環と共生、参加の観点から、定量的な計画のモデルプランを作成し、それを汎用化してマニュアルにするというものだった。
ワーキングホリデーのことを熱心に語る市役所担当者が印象的であった。また、市役所職員一人ひとりが自分の思いとして、地域づくりや環境のことを語ってくれた。市役所職員の元気さをみると、地域の活性度がわかるという私の持論はそのときに生まれた。
飯田市は、環境省の「環境と経済の好循環のまちモデル事業(まほろば事業)」にも選ばれた。たくさんの事業を盛り込んだ飯田市の事業は、飯田市内外の多くの人の知恵を感じさせるものであった。本研究で着目している市民共同発電事業(南信州おひさま進歩エネルギー)が、その時に立ち上がった。
環境省のまほろば事業は、私にとって大変印象的であった。ハードウエアとソフトウエアを一体として実施する、3ヵ年の継続し、事業の効果測定を行い、その成果を事業実施2年後にも行う等の工夫があり、総合環境行政を担う環境省の良さを具現化した、よい事業だったと思う。
2年前には、国の環境基本計画の進行管理のための指標開発の仕事で、飯田市を訪ねた。第3次環境基本計画の重点プロジェクトである「環境保全のための人づくり・地域づくり」に関する指標を開発する仕事だった。
私は、この指標について、「地域環境力」という概念を環境省に提案し、採用された。「地域環境力」は、元々は環境白書等で提案されたものだが、それを「主体個々の力」と「主体間の関係の力」と定義した。「主体間の関係の力」は、環境政策においても注目されてきている「社会関係資本」に相当する。
この指標開発のために、「地域環境力」が高そうな全国5地域でモデルスタディを行った。飯田市では、市民共同発電の他に、地域ぐるみ環境ISOの取組み、環境基本計画への市民参加等が注目された。
特に、地域ぐるみ環境ISOでは、「企業間の関係の力」に相当する取組み事例が少ないなか、画期的なものである。環境基本計画への市民参加では、当時の行政職員自身が計画策定にのめり込み、その後の環境政策の基盤となったという。手づくりの計画書を、2度ほど拝見したことがある。分厚い計画書には、熱い想いが込められている。
さて、今回、信州大学の客員研究員の立場で、飯田市民のアンケート調査を実施する機会を得た。持続可能な地域づくりを、環境イノベーションの普及と「地域環境力」の相互作用という切り口で研究しようと考えていた私にとって、飯田市は最適な研究フィールドとなった。
市民アンケートにはサンプリングが必要であり、そのために市役所を訪問し、南信州おひさま進歩エネルギーにもいろいろと協力を依頼した。
感謝の気持ちを込め、恩返しとして、集計・分析、報告書の取りまとめを行った。いずれかの機会に発表をしていく予定である。
また、飯田市での研究は、アンケート調査で終了ではない。今後はアンケートで得た知見をもとに、飯田市内の関係主体へのヒアリング調査を行い、掘り下げを行っていく予定である。本研究の成果は、環境省先進地・飯田市の取組みに関する確かなデータを全国に紹介するものに留まってはいけない、飯田市自身の今後の取組みに役立つものでありたいと考えている。
最後に余談。
飯田市で住民と会話をしていると、私のふるさと遠州と同じ言葉だと感じる。天竜川でつながり、木材の搬出等経済的にもつながりが強いのだから、当たり前かも知れないが、距離はだいぶ離れているから、予想外であった。
浜松市役所をたずねると、三遠南信の取組を進めていることもあって、飯田市職員の方が出向していたりする。環境先進地が身近であることを感じる。浜松市も、三遠南信を推進するのであれば、飯田市の取組みについて、もっと多くのことを学ぶ必要がある。ふるさとを応援する気持ちがあるからこそ、浜松市の関係者にそう申し上げたい。