side by side:湘南夫婦のあしあと

二人が好きな地元湘南、スポーツ観戦、旅行、食べ歩き,音楽・美術鑑賞など、日々のあれこれを綴ります

首木の民 誉田哲也 (2503)

2025年01月25日 | 書籍・雑誌

*****ご注意!一部ネタバレの可能性があります!*****


誉田作品は1年以上ぶり
誉田哲也氏の作品といえば、ストロベリーナイトに代表される事件描写のグロさが人間の弱さ・脆さを感じる絶望と希望の複雑な感情が湧いてくるのだけど・・・

題名とカバーデザインをみて、想像が先走ってしまった。

窃盗と公務執行妨害容疑で逮捕された久和は取調べ冒頭に「公務員は信じていない」と宣言し、事件に関することへの供述を拒否
一方で元財務省官僚だった久和は、取調べ担当の佐久間に経済のイロハを講義しだす

佐久間が取調べ(という名の久和の一人語り)している間に部下が捜査して単なる窃盗事件ではなく過去の交通事故揉み消しなどが発覚してくる
が、正直事件としては小粒だし、さほどの捻りはない
財務官僚が登場してきたあたりで、事件の行く末が見えてしまった。
多くのページが割かれた久和の「財務省批判」も何処かで耳にした内容でもある。
財務官僚(とその家族)のエリート気質が事件を生んだともいえるけど、帯宣伝のような社会派小説という感じでもなった


2024年6月22日第一刷発行
初出 小説推理 2023年5月号~2024年5月号
装丁 bookwall
写真 Matan / adobe stock




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