SHOTGUN TERRY OFFICIAL BLOG 『ガイコツマイクのバカ大将』

テリー&スラング、テリー&ベアーズのシンガー、ショットガン・テリー(テリー下沢)の珍記録がココにある!

涙のOne's Diner

2003-11-22 | Terry&SLANG
多少、鼻が悪いが、まぁなんとか風邪は回復。いいライヴにしたいぜ!と、朝の時点ではこの日に巻き起こる事件のことなど知るよしもなく…。

ライヴの日は仕事が忙しいってジンクスがはずれ、ヒマな店内。給料日前だからね。
4時すぎくらいにクラっちょから電話がある。
なんでも、風邪が治らないので朝、注射を打ってもらいにいったら(先月のライヴも風邪でぶったおれてる時で、この注射で見事に復活したのです)どーゆーワケか全身にジンマシンが出てふくれあがってるとの事。
病院では医者が来るのが5時か6時なんで、それからの診察になるってんでリハには来れず、本番前にかけつけるようになるという。
むむ。クラっちょとのバンド活動はテリスラ以前の覆面時代を入れれば10年をこえるのだが、リハに来れないなんて初めてだぞ。
こりゃぁよっぽどの事なんだな…とは思いつつも、オレはまだ事の重大さを把握せず、「ぶっつけ本番でやらなきゃなぁ…」くらいの気持ちでいたのだが…。
ロッキンエイトことマツキチが迎えに来て、バイトの辻っちょに店をまかせ出発。
駅でナックンと合流し、クラっちょがリハに来れない事を説明。クララさんが本調子じゃないならオレ達でひっぱって頑張ろう!なんて話しながら恵比寿へ。
夕方の人ゴミの中、マイクスタンドを持って歩いているとすっかり危険人物である。(ご存知のように、オレのは下の部分がデカイ鉄の皿のようなオールドなタイプ。折りたたんだりできないんです)
One's Dinerに到着。可愛いウエイトレスの女のコと、店長の海老沢さんにごあいさつして頂く。
いやいや、こちらこそ今日はヨロシクです!
6時にいったん閉店となり、リハーサル開始。
ライヴハウスじゃないのでドラムも生音、アンプからの音もそのままって感じなんで、とにかくナックンの音量に合わせてアンプのつまみを上げ、バランスを取る。
と言ってもギターがいないので全体の輪郭が見えてこない。
多少の不安は残るものの、音的にはいつものリハスタでの感触と近いのでなんとかなるだろう…って事でリハ終了。
で、ここからは撮影会。
高校時代からの親友で(悪友?)、カメラマンの木戸が遊びに来てくれたのだ!
One's Dinerの店内ならいい写真が撮れそうだって事で、ソファーやらカウンターやらでパシャパシャ。
途中からはマツキチとナックンもくわわり、3人のショットを撮ってもらう。
(「卒業式に休んだヤツみたいに、クララさんの顔を丸く囲んで上の方に入れようぜ!」なんてバカ話をしつつ)


それがコレ↑(笑)

そんな矢先に、クラっちょから連絡が……。
なんと!4時すぎの、オレとの電話を切った直後に気を失って倒れたそうなのだ!
コンクリートの駐車場で意識不明になり、手をつかずに顔面から転倒し床一面を血の海にしているところを発見され、救助隊に病院に運ばれ緊急手術となり、まさに今、点滴を入れながら、酸素マスクを少し口からはずし電話をしてきたのだ!
事情を聞いたオレは、こりゃムリじゃん!と思ったのだが「今から…はぁ、はぁ…今からそっちに行くから…」とクラっちょ!(電話の後からは「暗楽さん(本名)、いけません!外出できる状態じゃありません」と看護婦達のさわぐ声が!)
まったく予想外の展開に、声も出ないオレ!
しかしクラっちょが続ける!
「顔も…縫われて…キャプテンハーロックみたいだけど…はぁ、はぁ…ワシ、行くよ…ガラガラ、ガッシャーン(点滴をひっぱって倒した音だと思われる)」
この時!オレも腹をくくった!
「よっしゃ!クララさん!待ってるぜ!たとえ倒れても、前のめりに倒れよう!」
電話を切り、気合を入れる。

誰もいない開演前のステージ、いつものようにウッドベースやシュアー55はあるが、ブルーのトーマスギターだけがない。
大丈夫!もうすぐさ。熱いステージをやるぜ!
すでにお客さんは続々と来て下さる。
電車に乗りこんだクラっちょと携帯メールで状況をやりとり。
縫合をしたので汗をかいちゃいけないって事で、それを聞いた海老沢さんが照明の向きを変えてくれる。なるべくギターの方に光がいかず、それでいてまったく暗くなってるワケじゃなく…微妙な角度に調節してくれた。
ステージ上にイスを用意してほしい…との連絡も受け、背もたれのあるイスをステージへ。
開演時間も過ぎ、集まって下さったお客さんにステージの上から事情説明。皆さんあたたかく拍手をしてくださった。
オレはいてもたってもいられず外へ。
ちょうど富路やんがタクシーで到着。事情を話すとビックリしつつも、「じゃぁオレ、マイクでなんかしゃべって間をつないでおくよ〜」と嬉しそうに店内へ…。(結局、なんかしゃべったの?)

そうこうしていると!
信号のむこうでタクシーを降りるクラっちょを発見!
フラフラ倒れそうな身体を、ギターを杖がわりにして歩いてくる。
縫ったばかりのアゴが痛々しい!(でも、ハーロックみたいって言うから顔中を覆ってしまったのかと思ってたのでちょっと安心)
オレはもう、涙が止まらなかった!!!!!

そして、店内へ。
集まってくれたお客さんが拍手でむかえてくれると、シャキっとした姿勢で「おまたせしてすみません!」と話しながら楽屋まで歩くクラっちょ!
プロだ!
テキパキとギターをセッティングし、こんな事態だというのにクラっちょ担当だったビデオカメラ&三脚もしっかり持ってきていて(すごすぎる!)そちらもセッティング。
おまけに、「やっぱりコレはいらん!」と、ステージ上に用意されていたイスも、どかしてしまった。
すげぇぜクラっちょ。しかし、こんな風にふるまっているが、ホントだったらまだ病院にいなくてはいけない身体。
ライヴはオレがひっぱらなければ!
よ〜〜〜〜〜〜し!やるぜ!オレの唄で会場に声のシャワーを降らせよう!今夜は決めるぜ!

ライヴスタート。
いい感じ。気がカラ回りせず、うまく声に乗ってる感じ。
しかし、体験した事がない、変な感覚もある。歌う事、声を出す事には集中できているのに、色々あったからか思考能力が全然ない。
歌詞を間違えまくっているのだ。
でもまぁ、今夜はそんな事どうでもいいか。
横ではクラっちょがいつもとかわりなくプレイしている。
マツキチは「クララさんがコーラスできない分も歌います!」と言っていたのに、いつも自分がコーラス入れてる部分さえ歌っていない!
ナックンは曲順を間違えてあわてて、カウントも入れずにおもむろに叩き出したりする!
やっぱりみんな、動揺してたんだな〜。
でも、これもまた今夜はどうって事ねぇよ。
ただただ、この4人でステージに立ててる事に感謝!









準備不足、クラっちょが歌えないためハモりもない、マイナス要因は色々あっても、とてもいいライヴができたと思う!
約25分のステージを2回。本当にクラっちょはよくやりきったと思うし、オレ自身も気持ちよくやれた!
マツキチとナックンも、電車の中でもリハでも、ずっとイチャイチャしててステキだったぞ。

終演時間が遅くなり、すぐに帰られた方が多かったので皆さんとゆっくりお話できなかったのが残念だが、いらして頂いた方々、ありがとうございました!
One's Dinerの海老沢さんにも感謝です!

残ってくれた仲間達で軽く飲み、タクシーに乗り込むクラっちょを見送ってから高円寺に戻りタンタンで本格的に飲み直す。
一生忘れられない、濃〜〜〜い夜だった。酒もうまい!
早々と記憶喪失の旅へ…。