それはいつもと変わらず会話が中々進まないエアーポケットに入ってしまった
デイサービスのおやつタイムが終わりゆったりとした頃
私の手の甲を細くなった指でさすってくれながら
遠~い目をして いつもと変わらない優しい口調で
# どんな ご縁 なのかわからないけれど いつも会いに来てくれるね #
意表をつかれて一瞬絶句
でも何とか声を整えて
聞えにくくなっている 耳元に口を近づけて
$ 母娘の縁 ですよ $
私の声にゆっくりとこちらに顔を向けて
# うん うん #ってうなずいてくれたけど
わかってくれたのかな?
今までは 名前が出てこないのは忘れたんじゃない声にならないだけ
それもまた 想定内でした。
が...。...こんなにも決定的な一言には心が乱れてしまってさすがに立ち直れない
しばらくの間手が震えてしまい涙すら出ない
聞いてくれるだけでもいい
傍にいてくれるだけでもいい
もう少し まだまだ ずっと
貴女の 娘 でいたいです