カメラを片手に

春の忍辱山円成寺は

霞む空に『穀雨』の陽が昇れば、最低気温は7.4℃とやや冷えむも午前11時に
21.4℃と急上昇し、その後もカラッとした5月中旬の気候で24.2℃、もう少し
で夏日です。今週いっぱいはこの天候が続くようだ。
      11時

初夏のような陽に照らされる今日の花の「シバザクラ・芝桜」、
ハナシノブ科の多年草で、別名は「ハナツメクサ・花詰草、花爪草」と。 
花言葉は小さな花が集まって咲くことから 「臆病な心」「合意」「一致」 等
近くの児童公園の芝桜(花詰草)は満開ですが・・・
小学校の新一年生も給食が始まり、午後2時以降にならないと来ない。
遊ぶ子のなき公園や芝桜』  和田祥子

今日は夏目漱石の門下生の小説家・随筆家の「内田百閒 (ひゃっけん)」先生、
1971年の忌日、記念すべき没後50年の「百閒忌」になります。
また別号の「百鬼園忌」や、俳句『木蓮や塀の外吹く俄風(にわかかぜ)』から
 「木蓮忌」ともされますが、もうとっくにモクレンは散っている。
名の百閒は、生まれ故郷の岡山の百間川から名をとる。
実家の造り酒屋が倒産して後、借金に悩まされ、これを錬金術と称する
ユーモラスさを持ち合わせ、紀行文の「阿房(あほう)列車」全15編にも、
借金までして一等車に乗り、弟子の国鉄職員「ヒマラヤ山系」とのただ列車に
乗るだけの珍道中記も非常に面白い。


さて先日の日曜日、友達7人で「滝坂の道」のハイキングも珍道中でした。
忍辱山円成寺方面行きバスは、当初は9時19分発の近鉄奈良駅前バス停だった
が、満席で立ったまま35分は辛いので、急遽始発のJR奈良駅9時11分に変更に
なったが、これは正解!
奈良市の東部の山へ分け入れば、遅咲きのヤマザクラが迎えてくれたが、
天候は曇り空に、寒気が流れ込み突然の雨が昼から降るというが早そう。
20人ほどが忍辱山バス停を降りる。
東門から再整備された平安時代の寝殿系庭園の道へ入るも・・・
躑躅が咲き出した庭園前の道を通り過ぎ、『円成寺』の受付への階段を上る
人は一人だけ、皆様あっという間に滝坂の道を目指す。
            受付から庭園を見下ろす

我々は初参拝者や御朱印帳持参の方もおられ、500円の拝観料を支払えば、
奥様が写真帳を取り出し、見どころを説明して頂けた。ご住職は不在か残念!

もう境内ではシャクナゲが咲き出し、コゴミや名が不明な芽も顔を出す。
 

後ろの相應殿に安置される仏師運慶25歳の作、国宝・大日如来坐像(平安時代)
からで、若々しいお顔立ち、漆箔の剝がれも優美さを失っていない。
      HPより拝借

護摩堂前と再建された三重塔(内部に大日如来坐像のレプリカが)の間を
      護摩堂

室町時代の楼門(重要文化財、入母屋檜皮葺で花肘木が入る)と拝殿が

楼門から庭園を見下ろせば

池の反対側から楼門を見上げる


拝殿の東側に鐘楼(江戸時代再建・入母屋造瓦葺)もひっそりと
      

そして素屋根に覆われたお社は「宇賀神本殿」鎌倉時代・重要文化財
一間社春日造で向拝唐破風造、檜皮葺の社殿、
宇賀神は農耕神あるいは蛇神・龍神、仏教では弁才天と習合されて
書道の神としても信仰を集める。
      

その左隣に鎮守社の国宝・春日堂と白山堂(鎌倉時代)が並ぶ。
1228年の春日大社御造営の旧社殿が寄進され、全国で一番古い春日造社殿に
なる。表は入母屋、裏は切妻の檜皮葺(檜皮は40年ほど持つが痛みが・・)
千木や鰹木がのり、蛙股・懸魚・勾欄などが鎌倉時代をしのばせる。

そして本堂(阿弥陀堂・室町時代で重要文化財)へお参りを
1446年の再建で、稀な藤原時代の春日造社殿両庇付寝殿造阿弥陀堂を現す 。

扉が開いていたので外から撮れば、宝相華唐草模様の光背の阿弥陀如来坐像
(本尊・重文・1112年)、須弥壇の上でほほ笑まれているよう。


誘われるように本堂に上がり手を合わせました。
須弥壇四方に四天王立像(重文・鎌倉、持国天は1217年)も写実的ですね。

ふと本堂内陣母屋四本柱には、極彩色に仏様などが描かれている。
ご本尊の阿弥陀如来に従うように観音菩薩、勢至菩薩などと共に、様々な楽器
を演奏し舞い踊る諸菩薩が極彩色で描かれ、阿弥陀二十五菩薩来迎を意味する

回りの陣に二体の十一面観音菩薩立像、薬師如来立像や南無仏太子(二歳)も。
あっという間にもう10時半で、先を急がなくては・・・
池の反対側から楼門を見て辞去しようとすると
      

池の周りの茂みに飛び込む小鳥が、スズメ?いや『アオジ』ですね。

別れを告げてくれました。

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