4サイクルエンジンのキャブレター分解清掃
回り道してたどり着いたエンジン式薪割り機。HONDAのエンジン音に慣れている私にとって何かBriggsのエンジンストローク音はしっくりこない。
私だけが感じる4ストローク音なのか
販売元はなぜ搭載エンジンを「Briggs」から「HONDA」に載せ替えたんだろう?
理由がどうであれ、私の薪割り機は「Briggs & Stratton」だ。私の薪割り人生が尽きるまで付き合わなければならないし、多少色々ある不具合も修理しながら使うしかないだろう。
午前中動いていたのに午後からエンジンが突然かからなくなった!
刈払機のエンジンがかからない薪ストーブ生活に欠かせないのが薪割り機。田舎暮らしに欠かせないのが刈払機、どちらもさっきまで調子よかったエンジンが、いま不調なんてことはよくある話。刈払機のエンジン不調はキャブレターの原因が多い。自分で修理をやってみるのも面白い......
突然の始動不良に見舞われると頭が真っ白になる。しかし冷静になって考えてみれば原因はそう多くはないはず。さっきまで動いていたんだから。
1 | エンジンスイッチが運転になっているか | 7 | プラグ電極の汚れ清掃か新品交換 |
2 | 燃料コックレバーは開になっているか | 8 | 始動ノブを引きプラグ電極の火花を確認 |
3 | 燃料タンクのガソリンを確認 | 9 | プラグキャップがプラグにはまってるか |
4 | 燃料タンクキャップの空気穴を点検 | 10 | エアクリーナエレメント清掃か新品交換 |
5 | 規定量のエンジンオイルが入っているか | 11 | 燃焼室に燃料が送られているか確認する |
6 | リコイル紐(始動ノブ)を引き圧縮確認 | 12 | フロート式キャブレターの分解清掃 |
エンジンが始動しない主な原因は燃料系統にある。燃焼室で爆発が起こらないから始動しないわけで、燃料があるのに爆発しないと点火系統になる。
燃焼室に燃料がきているか確認するには、チョークを閉にし5~6回リコイル紐(始動ノブ)を引き、点火プラグを外し電極ヘッドが濡れていればきている。
リコイル紐(始動ノブ)を何度も引いたのに点火プラグの電極が濡れないということは、タンクの燃料が燃焼室にいっていないことになる。エンジンからキャブレターを取り外し、分解清掃する必要がある。
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エレメント紙に付いた埃をエアーコンプレッサーで吹き飛ばすと綺麗になる。強い油汚れの場合は新品に交換したほうがいいね。 | スポンジフイルターの汚れがひどい場合は、中性洗剤等で洗いよく乾燥させる。軽い埃や塵汚れはエアーコンプレッサーで吹き飛ばす。 |
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エアクリーナーを取り外し、エアクリーナー・ベースを固定しているボルトを外す。 | キヤブレターとエアクリーナー・ベースをスタッドボルトに固定しているボルトを外し、エアクリーナー・ベースを取り外す。 |
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コントロール・パネルを固定している二本のボルトを外すと「エアクリーナー・ベースとコントロール・パネル」が取り外せる。 | スロットルレバーのノブをプライヤー等で引き抜く。 |
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OHVヘッドカバーとエアクリーナー・ベースをつないでいる「ブリーザチューブ」を引き抜く。 | キヤブレターのフューエルコックから「クリップ」をつまみ「フューエル・チューブ」を引き抜く前に、燃料タンクのガソリンを抜き取り、チャンバー・ドレンボルトを緩めてチャンバー内の燃料を抜く必要がある。 |
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キヤブレターを少し引き出し部品に掛かっている「ガバナ・ロッド」を持ち上げて外し、「スロットル・リターン・スプリング」もラジオペンチで取り外す。 | インシュレータ、キャブレターからガスケットを傷つけないようにゆっくりスタッドボルトからキヤブレターを引き抜く。 c |
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外したキャブレターのインシュレータ取り付け面側から見たキャブレター。エアクリーナー取り付け面側から見たキャブレター。 | 基本的にキャブレターの分解清掃は全てを取り外して洗浄することになっているが、不調箇所はがぎられていると考え最小範囲にとどめた。 |
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チャンバードレンボルト(フロート室カップを固定)、オイルドレンボルト(燃料を排出するときのドレン口)を外す。ストレーナカップも取り外す。 | このキャブレターには「メインノズル1」の奥に「メインノズル2」がある。「メインノズル1」にはマイナスドライバーで外すための溝がある。 |
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「メインノズル1」の取り外しは5~6 ㎜平行マイナスドライバーで溝を傷めないよう慎重に回す。このキャブレターには「メインジェット」ネジが付いてなくてノズル穴が開いているタイプ。「メインジェット」ネジが付いている場合はこのネジを先に外す。 | 「メインノズル1」が取り出し口側にあり奥に「メインノズル2」の先端がキャブレターの主噴射口として飛び出している。メインノズルには細かい穴があるのでよく洗浄する。ゴムパッキン類は洗浄液で傷むので取り外しておく。 |
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フロートを取り外すにはフロートピンを引き抜く。このキャブレターのフロートピンは両端どちらからも引き抜けられるが、片側を潰してあるものもある。 | 燃料吸入口に「ニードル・バルブ」先端が収まるようにできている。「ニードル・バルブ」のスプリングが上下して燃料供給を行なっているので、動きの確認をチェックする。 |
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ゴムパッキン類、ガスケットを取り外し、金属のみになったところでムースタイプのキャブレター洗浄スプレーを穴という穴から吹きつけ、すべての穴から泡が噴出していることを確認する。 | キャブレター洗浄スプレーで落ちない油汚れはパーツクリーナーを併用して洗浄してみる。洗浄後はエアーコンプレッサーですべての穴に吹き付けて綺麗に洗浄乾燥する。 |
農機具用汎用4ストロークエンジンのキャブレターには、製造メーカによって若干の違いがあることに気づいた、分解を最小限にとどめたのは面倒なエンジン調整を避ける思惑もあった。
今回「フロート式キャブレター」の分解清掃をやってみて思ったほど難しくないと感じたのが率直な感想になる。