腫瘍内科医一家のニューヨーク滞在記

ニューヨーク研究留学中での出来事を感想を交えてメモ代わりにつづります。

そもそもなんのために、、、

2011年12月19日 00時21分52秒 | 日記

 週末、久しぶりに一息つくことができたので、来年以降のことについて日本の何人かの方とメール交換をした。FBに書くには、少々重い内容なのでブログに吐き出す!?ことにした。不快になった方は、途中で読むのをやめていただきたい。久しぶりに失望と怒りがこみ上げてきた。

 リーダーとは、組織のあり方や方向性の発展的ビジョンを示し、個々のメンバーに何ができるか見極め、方向性を示すことができる人だと思う。 

 ある方のお返事に、大学のスタッフの質が、以前より明らかに低下しているという意見とともに、臨床の質は10年前に比べると間違いなく上がっているとあった、、、。臨床の質が上がったのは、世界中どこでも同じことで、昨今の医学研究の進歩、情報技術の向上も相まって医学教育の均一化によってもたらされたものであり、これは過去や現在進行形で研究の最先端に立っておられる諸先輩方の偉大な成果を享受しているにすぎない。

 我々が先輩医師より我々の方が臨床家として上であるというのは、時代背景を鑑みない独りよがりの発言だと思う。こんなことを免罪符にして、研究活動をしない(できない)言い訳にされてはたまったものでない。うちの大学では、云々、、、という言い訳をする時点で、議論にすらならない。

 この二年間あまり、前に向かって進んでいく人だけに囲まれて仕事をしてきた。当たり前であるが、今職場は何か発展的な提案、行動を続けていかないと生き残れないところである。医学は日進月歩であるがゆえに、アカデミアにいるもののあり方としては当然のことである。

 私は、母校の幾人かの仲間(だった?)に失望を禁じ得ない。以前、有望な後輩が、国内ではあったが留学先から医局に帰ってこなかった。「このような組織は10年後には崩壊しているでしょう。だから自分はここには帰らず自分で就職先を探すつもりです。」という彼の言葉が重くのしかかる。

 それにしても、彼らは、そもそもなんのために、大学に居続けたいのだろうか、、、。そして、未だに私は無力なのである。