腫瘍内科医一家のニューヨーク滞在記

ニューヨーク研究留学中での出来事を感想を交えてメモ代わりにつづります。

医学部でなく獣医学部であるところが、人生なのである。

2014年03月08日 00時08分21秒 | 日記

「合格おめでとう。お疲れさま。」

国公立医学部志望の生徒が、長年の浪人の末、国公立であるが獣医学部に合格した。

一言でいうとこうなるが、やはり、何のお役にも立てなかったが母校の後輩になってくれることを期待して見守ってきた側からすると今回の件は、やはり重み深みが全く違う。

そして、医学部でなく獣医学部にたどり着くところが、「人生」なのである。

 

「心を亡くすと書いて、忙しいというのですよ。」昔ある方から諭されたことが懐かしい。いくら時間的余裕がないときでも、自分の無能をさらけ出すようなこの言葉を使うことは避けるようにして生きてきた。

ある浪人生のこと決して忘れていたわけではない、、、。だが、今年はまだ決着のついていなかった、その生徒の大学受験という一大イベントのことを完全にスルーしてしまうほど、最近、自分を取り巻く環境のことで心が荒んでいた、、、。

約一年前に書いた本ブログ記事

母校の二次試験に挑む浪人生のことを心にいだきながら今日一日を過ごしました。合格を勝ち取ってほしいと切に願います。

昨年は、結局この続きを書くことができなかった、、、。
 
ある浪人生のドラマはつづいていた、、、。
こちらは、昨年の3月中旬に急いで本帰国して、翌日から東京の新しい職場での勤務を開始していた。こちらも凡百の小説よりは遥かに劇的な一年を送ってきた、、、。
彼女にとって、その後の一年がどれほど重苦しい足取りだったか想像に難くない。いくら成績が上がっても、多浪生の心の奥底に棲みついた疑心暗鬼が消え去ることはなかったであろう。
「一度医者になると決めたからには、絶対に引くことはできない。」きっと、そんな思いが彼女の意地をささえつづけてきたのだと思う。
 
以前、母校の地域枠入試の面接で、「自分を花にたとえると」と面接官に聞かれて、「ぺんぺん草」と答えたという謙虚で、そしてどこか自信なさげな彼女にこそ、医者になってほしかった。自分のことを、バラの花や蘭の花に例える生徒よりは遥かに他人に対する優しさを連想させるではないか。
でも、芯が強くも優しげな彼女には「動物のお医者さん」も、とても似合うはずだ。
今はまだ余裕がないが、いつの日か子供の頃から果たしていない「犬を飼うという夢」を達成したあかつきには、彼女に、私の将来の「愛犬ハチ!」のかかりつけ医になってもらうことにしよう。
 
合格、本当におめでとう。
再会を楽しみにしております。
 
 

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