腫瘍内科医一家のニューヨーク滞在記

ニューヨーク研究留学中での出来事を感想を交えてメモ代わりにつづります。

「Race to the End of the Earth」

2010年06月27日 12時01分45秒 | 日記
 今日は私たち夫婦の11回目の結婚記念日であり、休日の土曜日でもあるのに、朝と夜に2回仕事に行った。
 現在23時過ぎに仕事をしていてさすがに申し訳ない気持ちになっている。
 決して家族をないがしろにしている訳ではないことをわかってほしい。といっても、無理か。

 日中、時間を見つけて、子供たちとミッドタウンウエストにあるアメリカ自然史博物館へ行ってきた。
 目的は現在展示されている「Race To The End of the Earth」である。
 今から100年前に、イギリスとノルウェーが国家の威信をかけて南極点到達を争った話を子供の頃に伝記物で読まれたことを思い出されたのでないだろうか。
 当時の状況が実に具体的かつ印象的に展示されていた。
 勝者ノルウェーよりも、悲劇のイギリス隊、特にスコット隊長にどうしても感情移入してしまう。
 死の直前まで綴られた彼の日記から、食料も燃料も尽き果てても、イギリスの隊長としての尊厳を保ちつづけていたことが伝わってきた。いよいよ最期を覚悟したとき、彼は自分自身が最期までgentlemanして生きたことを高らかに宣言するのである。
 今回初めて彼の直筆の原文を読むことができ、久々に感動を覚えた。
 
 子供たちにとっても、真冬には-60度にも達する南極の極限の厳しさや、機械式の雪上車に代表されるハイテク満載のイギリス隊よりも犬ぞりと軽装備でフットワークを追求したノルウェー隊が勝利を収めた事は強く印象に残ったようである。
 子供たちは、遭難してなくなったイギリス隊の遺族のことを自分の事のように心配していたので、展示内容を翻訳して、政府が現在の貨幣価値で約700万ドルを用意した事を伝えた。少しではあるが、子供たちの慰めになってくれたようである。
 帰り道、セントラルパークを歩いてきたが、子供たちから南極探検の質問の嵐であった。
 
 写真は自然史博物館3階に展示されているモアイ像

サッカーワールドカップ 祝決勝トーナメント進出

2010年06月26日 14時33分48秒 | 日記
 今回は予想に反して?日本が強い。
 個人的には予選突破はまず無理であろうと見ていた。
 フランスでの経験が豊富でボールキープ力のある松井選手に期待していた。
 もちろん、彼も良かった。

 それにしても、本田選手はすごい。 
 まさに有言実行の「侠」である。
 個人的に大嫌いな「日本人の金髪」でもなぜか憎めない。

 デンマーク戦の先制の無回転フリーキック。
 試合を決めた3点目につながる個人技からの突破。
 
 彼の振る舞いからは、日本人にしばしばみられる欧米人に対する引け目というか弱さが全く感じられない。表には出さないがこれまでのオランダリーグでの経験と努力に裏打ちされた「根拠のある」自信なのではないだろうか。名だたる欧州のチームに対しても、実に堂々としたものである。

 素晴らしい!

 世界的にはサッカーは決してお上品な「おぼっちゃま」ましてや「ジェントルマン」のスポーツなんかではない。
 審判に隠れて袖を引っ張るのはかわいいもので、審判の目にとどかないところで蹴ったり踏んだり、シュミレーションでせこくPKやFKを取りに行ったり、相手を怒らすためにわざとえげつないヤジを飛ばしたりするのである。前回のワールドカップでは差別発言をしないように呼びかけがなされていたぐらいである。前回のワールドカップの決勝戦でフランスの英雄ジダンがイタリアチームの心ないヤジに切れてしまい、後半の最も大事な勝負所で途中退場となってしまい、多くのファンを失望させたことはその典型例である。
 サッカーは心身ともにタフなスポーツであり、国際レベルでは勝負所においてオシム監督のいう「殺し屋の本能」が要求されるのであろう。
 
 写真は、こちらのスポーツ専門のテレビ局ESPNがPR用に作ったワールドカップの日本チームのポスター。今回の日本チームのお家芸ともいえる各選手の献身的なディフェンスもしっかり機能しており「サムライ」ブルーに値するのではないだろうか。
 
 決勝トーナメントが待ち遠しい。

 

ワシントンD.C. その2 セグウェイで散策

2010年06月17日 11時49分57秒 | 日記
 ワークショップの翌日、帰る前にワシントンDCを少し散策した。

 ワシントンDCは、中心地はニューヨークに比べてきれいで道も広く取ってある。
 いざとなったら、大統領が飛行機で避難できるようにと知人から聞いた。
 ニューヨークに比べて治安が悪いとは聞いていたが、日中の中心地を歩く分には問題はなさそうであった。
 ホワイトハウス、国会議事堂、スミソニアン博物館等を徒歩で回るには少し距離がある。 なにより、少し疲れている。
 そこで、今回は自転車レンタルならぬ、市内に数ヶ所あるセグウェイのレンタルを利用することにした。ニューヨークではセグウェイで公道を走ることは認められていないが、ワシントンでは車道を走ることができる。例外的に、現在住んでいるルーズベルトアイランドでは警察官がパトロールにセグウェイを使用していることは以前に記した。
 
 セグウェイに乗った感想であるが、重心の傾きだけで、前後左右に自由自在に操縦できる噂通りの素晴らしい乗り物であった。初めての人でも数分練習すれば乗りこなせるようになる。しかも、電動式で一回の充電で24マイルも走行できるとのこと。購入すれば6000ドルほどするらしい。
 唯一の欠点は、直立姿勢の同じ姿勢を保ったまま乗るためか、一時間もすれば、足の裏や腰が痛くなってくるのが弱点である。一緒に乗った人も同様の感想であった。
 
 あと、アメリカには珍しく地下鉄も発達していて、利用してみたが、この日は満員の上、クーラーがかかっておらず、蒸しぶろ状態であった。汚くてもニューヨークの地下鉄のほうがましか。
 

 下のワシントンの街並みの写真もどうぞ。
 国会議事堂の上にも自由の女神像!設計もフランス人とのこと。
 最後の写真はリンカーン大統領がシアターで撃たれてから運び込まれて息を引き取った建物とのこと。なんだか、ジーンときた。
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祝 日本 ワールドカップ勝利!

2010年06月15日 10時48分43秒 | 日記
 今日は、この話題しかないでしょう。

 きっとまぐれなのだろう。
 いくら嬉しくても、監督が有能だとは間違っても言うつもりはない。
 
 だが、選手たちが諦めず必死で戦っていたことは事実であろう。

 この際、理由なんてなんでもいい。
 とにかく勝ってくれたことが日本人としてうれしい。

 職場のブラジル人に自慢してやった。
 今日は日本のサッカー史上に残る快挙なんや!。
 彼は何のことかわからずぽかんとしていたが、そんなこともどうでもいい!
 今日はとにかく気分がいい。
 
 

ワシントンD.C.にて

2010年06月12日 14時18分47秒 | 日記
 本日、ワシントンD.C.の日本大使館にて、「1st US-Japan Clinical Trials in Oncology Workshop: Career Development in Clinical Oncology」が開催された。

 日本は、実地臨床のレベルは高いと感じるが、こと臨床試験の分野では完全に欧米に遅れをとっている。資金、インフラ、マンパワーすべてが、アメリカのそれに比べて著しく劣っている。そして、臨床試験を推進する人材の育成も遅れているとの指摘もあった。

  日本の若手医師が、潜在的に臨床試験に興味をもち、何とかしたいとの思いを持っているのであるが、自分自身も含めて何から手をつけていいのかわからないという人も多いと思う。今回は、産・官・学が一同に会して日本の現状に対する問題点の抽出がなされたという意味において非常に有意義であったと感じた。
 ただ、それに対する解決策の糸口は全く見えない・・・。
 人ごとでなくみんなで努力していかないといけない。
  
 会をオーガナイズされたこの分野の先駆者たるNCIの武部直子先生の見識と行動力に心から敬意を表したい。
 
 まだまだ未熟者の自分ではあるが、できることから努力していきたい。
 写真はワシントンの日本大使館。