http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151224-33996780-collegez-hlthから抜粋
何を食べるか、どうやって食べるかで、AGEの総量は変化する~食事改善で、老化のスピードを遅くしよう!
牧田善二氏
米国ロックフェラー大学研究員、米国ピコワー医学研究所主任研究員などを経て、1996年、北海道大学医学部講師に。その後、久留米大学医学部内分泌代謝内科主任教授などを経て、2003年、エージーイー牧田クリニックを開設。『太らない食べ方』(日本文芸社刊)、『老けたくないならAGEを減らしなさい』(ソフトバンク新書)など著書多数
●ジャンクフードは、AGEのたまり場
たとえば調味料でAGEが多いのは、シーザーサラダドレッシングやマヨネーズ、マーガリン。嗜好品ではココアやインスタントコーヒー、コーラなど。糖質を多く摂取すると、老化に直結すると意識すればよいでしょう。さらに、紫外線や喫煙もAGEの量を増やすことが分かっています
褐色の食べ物には注意が必要
「主食ではパスタ、パンケーキ、ワッフルなどに多くのAGEが含まれ、それに比べるととご飯の含有量は少ない。たとえば、朝食にワッフルを食べている人はご飯の人よりも95倍以上、食パンの人より34倍以上、AGEを摂り続けていることになるのです」
AGEはメイラード反応、つまり加熱した後の「焦げ」た状態によって生まれることを前々回で説明した。つまり、こんがりと美味しそうな茶色には注意が必要だということ。AGEが多いかどうかは、ある程度、見た目で判断できるのだ
、焼く、炒める、揚げるといった調理より、蒸す、ゆでる、煮るといった調理のほうがAGEの摂取は少なくてすみ、魚料理などでは、焼くより、蒸す方がAGEは少なく、蒸すより生、の方がさらにAGEは少なくてすむ。
日本食において注意が必要なのは、醤油や味噌。これらが褐色であることからも分かるように、どちらも大豆のタンパク質が糖化したもので、AGEを多く含みます」
一方、ビタミンB1は摂取した糖質や脂質の代謝を助ける働きがあります。またビタミンB6によって血中のAGE濃度が低下したという実験結果も報告されています。ですからビタミンB1を含む、きな粉やゴマ、ビタミンB6を含むニンニクや赤ピーマンはAGEを抑制する効果があると考えていいでしょう
血糖が上がる状態をいかに減らすかも、AGEの抑制を考えるうえでは重要だ。ご飯とサラダでどちらを先に食べるかで、血糖値の上昇カーブは異なってくる。同じメニューでも、野菜を先に食べた方が血糖の最大値を抑えることができ、肉や魚、ご飯より、野菜を先に食べるだけで、AGEの抑制につながる。そして、誰にでもできる工夫が食後の行い。牧田医師によると、食後にほんの少し動くだけでもAGEの抑制につながるという。
「誰にでもできるのは、食べた後、すぐ歩くということ。昔は消化が終わってから運動すべきと習った方も多いはずですが、食後すぐの運動は消化にもいい。血糖値は食べ始めてから15分くらいでどんどん上がり始め、1時間ほどでピークに達します。そこにいたるまでのタイミングでブドウ糖を消費するのがベター。毎食後にほんの少し動くだけでも、その積み重ねがAGEの抑制に大きく影響します」
また急いで食べるのと、ゆっくりよく噛んで食べるのでは、後者のほうが血糖値の上昇カーブがゆるやかになる。AGEを意識するなら、食事のスピードにも気を配るべきなのだ。
アルコールにはAGEを抑制する作用が
お酒はAGEを抑える働きがあることで知られています。アルコールの成分が糖化をブロックしてくれるのです。だからといってたくさん飲めばいいというわけではありませんが、AGEという観点だけで見れば、アルコールがマイナスに働くということはありません
AGEの増加が、いかに老化に大きな影響を与えるかが理解できたはずだ。しかも、血管のコラーゲンは約15年、関節の軟骨にいたっては100年以上、入れ替わらない。となれば、こうした組織、細胞に溜まったAGEは残り続け、身体全体でみればAGEの総量は増える一方なのだ