12.ヒューマニエンス “目 ” 物も心も見抜くセンサー
実は人によって、同じ景色でも違う“色”で見えている。多型色覚という人間に秘められた「目」の多様性がテーマ。
色やの見え方の違いは“個性”であり、協力しあうことで人類は生存競争を生き抜くことができた。
そして白目を持つことで生まれた「視線」は、ヒトが一瞬で心を通わせて、他の生物にはない集団コミュニケーションを可能にする進化の賜物だった。
目で心を伝え、読み取る。絆の出発点「目」の驚くべき能力を妄想する。
Caroline Campbell - Csàrdàs (V. Monti)
黒目=虹彩 白目=強膜
ゲイズ・グルーミング
九州大学の小林洋美研究員は霊長類の目の形を調べ、「強膜(白目)が最も露出していたのはヒトで、さらに白いのはヒトだけ」と語った。
ヒト以外の霊長類の場合、白目にあたる強膜は黒い。もし、強膜が白く、視線がはっきりしてしまうと、天敵からすれば、次の行動を予測しやすい。
九州大学の橋彌和秀教授は「ゲイズ・グルーミング」、見つめ合いの毛づくろいを紹介し、
見つめ合うだけでヒトの体内では幸せホルモンが体内に分泌され、恋に発展することもある。
橋彌教授は狩猟の際、声のやり取りでは獲物にバレてしまい、アイコンタクトが重宝したと話し、織田裕二は「刑事モノで突入する時、そうですね」と語った。
橋彌氏によると、大脳新皮質率と強膜の露出度は関係していて、ざっくり言えば、脳が大きいほど白目も大きいという。
また、アジア人は欧米人に比べて目に注目しているといい、北海道大学の結城雅樹教授によると、目には本心が出るといい、
日本人は目元から感情を読み取れるよう習慣づけられてきたという。
国際共同研究で赤ちゃんが表情を識別する際、日本の赤ちゃんは目、イギリスの赤ちゃんは口を見ていたという。
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