温暖化が進むと、どんな問題が起こるのでしょうか?
上の図は、今から6000年前の縄文時代の関東地方の地図です。この頃は温暖化の進行で海水面が上昇し、内陸へ入り込む縄文海進が起こりました。なんと東京湾が現在の埼玉県西部を覆って、埼玉、栃木、茨城3県の県境にある古河市の近くにまで入り込んでいたことが分かります。この頃、ドングリやクルミなどの堅果類を植林栽培する初歩的農法が確立したとされています。様々なデザインの縄文式土器が作られるようになったのもこの頃です。ちなみにこの時期の気温は年平均気温が現代よりも1~2度高かったと考えられています。気候が温暖で住みやすかったようで、温暖化も悪くなさそうです。
しかし現在の温暖化との違いもあります。縄文期の温暖化は、最新の氷河期の終わりとともに、だいたい4千年位の長い長い時間をかけて徐々に進みました。人々が環境の変化に適応するための時間は十分にあったと思われます。一方、現代の温暖化は約200年前に始まった産業革命によって地質的年代としては、ものすごいスピードで進んでいるのです。このような短期間の環境変化に人類は対応できるだろうかという心配です。
例えば、科学技術の力で、海面上昇に対しては、オランダが建設した全長 32 kmの「締め切り大堤防」(1932年完成)のような対策を取ることは可能でしょう。しかし、もっと広範で深刻な悪影響が考えられるのです。(続く)
※上の図は「嵐山町WEB博物誌」から引用させていただきました。こちらです。⇒ http://www.ranhaku.com/web04/c2/2_01map.html
上の縄文期の地図を、私は1983年(昭和58年)6月に、私と家内の母校のさいたま市立東中学校で行った教育実習の際に、ガリ版刷り(!)で参考資料として作成し生徒に配ったことを思い出しました。