![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/b1/eb1e7737a2bd1b27f7a119db39124bcd.png)
(昨日の続きです)
さて本書の感想も長くなってしまいましたが、なぜ本書のタイトルが『サピエンス減少』なのか、改めて考えてみました。サピエンスは人類一般をさす言葉です。ですから著者の原氏の指摘は、今日の日本における少子高齢化・人口減少が人類全般を覆いつくす近い未来の姿であるということです。著者の指摘では西暦2100年以降は全世界で唯一アフリカ大陸だけが人口を維持できる大陸になるということです(但し世界情勢如何によっては、それすらも怪しくなる可能性を著者は指摘していますが)。正確にはアフリカのサハラ砂漠以南の地域です。サブ・サハラ地域と呼ばれています。興味深いことに、この地域は私たち人類ーサピエンスの祖先が約30~20万年前頃に誕生した地域に近いと思われるのです。このことを書いているブログ主も、これを読んでくださっている皆様も、ご先祖を過去に辿っていけば、みんなアフリカで生まれたということです。ちょっとびっくりしますね。
私たち人類ーサピエンスは小集団に分かれて、やがてアフリカを離れ全世界に広がっていったとされています。その中のさらに小集団が氷河時代に朝鮮半島と陸続きであった日本列島に渡って今の私たちになったということです。これは「出アフリカ」と呼ばれています(上の図です 注)。人間の遺伝子を調べる分子系統解析という技術によって、そのような理解がなされているそうです。世界中で縮小に向かう人類ーサピエンスは最後にアフリカ大陸に戻っていくのではないかとーブログ主は、そのような感想を持ちました。
(注)https://ameblo.jp/worldhistory-univ/entry-12136286559.html