去る8月14日に、本ブログでご紹介した木星系氷衛星探査機のJUICEは、木星系への旅の途中で地球にいったん戻ってきました。以下のスケジュールだそうです(注1)。
【日本時間】2024年8月20日(火)朝6時16分 月面750kmを通過
8月21日(水)朝6時57分 地球表面6807kmを通過
8月21日(水)朝6時57分 地球表面6807kmを通過
上の図は21日朝に地球をスイングバイするJUICE探査機の軌道(黄色い線)です。
これは、どういうことかと言いますと、宇宙飛行技術のスイングバイのためです。JUICE探査機のような数十億キロに達する超長距離の宇宙飛行を行うには、燃料と予算の節約のために、惑星や衛星などの天体の重力を利用して加速・減速や方向転換を行うことがしばしば行われます。イメージとしては氷面をスケートで走行中に手摺などを押しやって勢いを付けるーあんな感じです。JUICEの場合は地球と月で勢いを付ける(あるいはその逆)、方向を転換するといったことを行います。JUICEは今回だけでなく、2025年8月に金星、2026年9月と2029年1月に地球でスイングバイを行った後、2031年に木星へ到着する予定だそうです(注2)。このスイングバイを行えば、化学燃料ロケットでは出せないような速度を得る(その逆に減速する)ことができるのと、天体の重力という無料のエネルギーを大量に得られることで大幅に予算を節約できるそうです。
(注1)https://twitter.com/juice_japan/status/1826009169062932645 上の図はこちらから引用させていただきました。
(注2)https://news.goo.ne.jp/article/astropics/world/astropics-astropics_20240821173000.html