博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

奴隷制とは

2023年01月16日 | 文化・社会
 (昨日の続き)
 もう一つ、プルードンの言葉で私が好きな言葉は、同じ『所有とは何か』の中の記述で、以下の言葉です。
・・・奴隷制とは何かという問いに答えなければならず、ただ一言でそれは殺人だと答えたとすれば、まずもって私の考えは理解されるだろう。人間から思考、意志、人格を奪いとる力は生死を左右する力であり、人間を奴隷にするのは人間を殺すことであることを証明するのに長談義は要しないであろう・・・
 プルードンという人物の本質をよく表している言葉だと思います。マルクスとプルードンは両者とも社会主義思想の始祖であり、マルクス一人だけでも20世紀へ向けた社会主義思想は、あれほどの影響力は持てなかったのではないかと私は思います。
 マルクス主義が後にレーニン主義と結合してソ連型の中央集権型指令経済を生み出したのに対して、プルードンは個人と個人が横断的、水平的、平等に繋がって形成する政治的には小規模な共同体の連合体として社会を形成していくことを志向したのだそうです。中央集権型国家のあり方を否定するので、プルードンはアナーキストの始祖とも見られることが多いようです。インド独立の指導者の一人、マハトマ・ガンジーが、独立インドを数多くの小規模なムラ(村)とムラの連合体として構想したこととよく似ています。地球環境が限界を迎えつつある21世紀の今日において、改めて考え直してみたい思想の一つになるのではないかと思います。
 上の図はプルードンの伝記の表紙です(注)。
(注)”Pierre-Joseph Proudhon: A Biography”
https://leftwingbooks.net/products/pierre-joseph-proudhon-a-biography



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