博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

首都圏に余白を作る

2013年09月12日 | 時事

 2020年の東京五輪が決まり、早速株価も上がっています。かくも素晴らしい近未来の目標ができたのですから、これを機会に7年後までに実現すべき国家目標を是非全世界に、日本政府が、あるいは日本国民が提示するということがあっても良いのではないでしょうか。例えば7年後までに「脱原発政策」を、こんなふうに進めるという宣言を政府として出すとかいったことです。日本国首相がIOCの場で、あれだけの大見得を切ったのですから、それくらい言ってみてもばちは当たらないのではないかと思います。

 たとえば前回の東京五輪では、それまでの日本には無かった様々なインフラが構築され、社会資本が充実しました。ハード面だけでも、東海道新幹線、首都高速、東名・名神・阪神高速、羽田空港モノレール等々枚挙に暇がありません。これらは同時進行していた高度経済成長の成果でもありました。今度の五輪は超高齢化・人口減少、将来発生が予測される大規模災害に見合ったインフラの構築ということになるでしょう。

 私としては7年後までに首都圏に一定の面積の「余白」を作ることを提言したいと思います。「余白」というのは、大規模災害に備えた「空地」のことです。「余白」は、救援組織の結集、救援物資の集積、ヘリコプターの発着、避難場所、瓦礫の集積場等々、様々な用途として大規模災害時には不可欠な場所になります。今の東京圏は過密すぎて、余白が十分にはありません。代々木公園とか新宿御苑、皇居周辺とか、おそらく都心部の昼間人口が避難してきた場合パンクしてしまうでしょうし、大規模火災で発生が懸念される火災旋風が吹き込む危険も気になります(関東大震災の被服工廠のように)。90年前の関東大震災の時は、多摩川沿岸などが余白の役目を果たしたようですが、今日では両岸とも住宅が密集しています。

 バブル期の地価高騰もあって、余白を作るなどということは東京圏では、およそ不可能と思われるようになったのです。しかしオリンピック施設の整備を契機に、施設周辺に「余白」を作ることをこの際思い切ってやってみてはどうでしょうか。23区内の地価を考えると土地収用など今日でも難しいのですが、公共施設を移転して跡地を余白にするということは可能性があるのではないでしょうか。一つ私が考えたのは、(五輪施設とはあまり関係ないのですが)歌舞伎町のど真ん中に立っている新宿区役所を西口の高層ビルのいずれかに移転して跡地を余白にするとかです。近くの花園神社の境内とつないで公園にするとかですね。

 まあこれも私の妄想なのですが、大規模災害は必ず起きるのですから、21世紀の国家目標にする価値はあると思うのです。


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