加賀市内の塩屋海岸(上の写真です)は、熱帯、寒冷地帯の様々な海浜植物の植生がある国内でも珍しい海岸で、 国定公園に指定されています。塩屋海岸から片野海岸に至る砂丘4.2kmに及び、幅広いところで170m以上あり、5月頃からハマヒルガオ、ハマニガナ、コウボウムギ、ハマハタザオが見られ季節ごとに色とりどりの花を咲かせます(下の写真です)。その背後には主にクロマツの防風林が広がっています。
江戸時代までの塩屋海岸は、草木一つない不毛な砂漠のような場所だったそうです。製塩のため燃料となる木々が伐採された結果だそうです。そのため沿岸部で生活する人々は塩害や吹き付ける砂に苦しめられていたそうです。
江戸時代までの塩屋海岸は、草木一つない不毛な砂漠のような場所だったそうです。製塩のため燃料となる木々が伐採された結果だそうです。そのため沿岸部で生活する人々は塩害や吹き付ける砂に苦しめられていたそうです。
明治44年(1911年)に地域の人々の政府への請願により海岸砂防事業としてクロマツの植林が始められました。砂の移動を防ぐ「砂防垣」を各所に設置して植林することで飛砂を抑えることに成功したそうです。この事業は大正13年(1924年)まで続けられ、追加の補植等は昭和11年(1936年)まで継続したそうです。その結果、今日見るような緑豊かな砂防林が広がり、砂が安定したことで様々な海浜植物群落が育成されたのだそうです。四半世紀かけて人の手により不毛な土地の自然環境を回復した事例ということで興味深いことです。