痩せキツネを想う

2020年06月12日 | 思う

初めて野生のキツネと目が合った。

2週間位前の事です。


うちの庭は人が通ると防犯ライトがつくのですが、これは猫が通っても、(時には)背の高い植物が風で揺れても反応します。


2週間前、このライトをつけたのは野生のキツネでした。


庭が明るくなったので、何?と思いカーテンを開けると、キツネが佇んでいる。


鼻先の長い、茶色の体。テレビでも絵本でも繰り返し見たそのまんま。


私はぎょっとして固まってキツネを見つめ、キツネも同じく私を見て固まった。

ケータイで写真を!なんて事考え始めたら、キツネはレンガの道をゆっくり歩いてどこかに行ってしまった。


数日後、うちの周りで朝、昼問わず出没してるらしく、かなり痩せてるらしい。

私と目が合った時は、痩せてる事に気がつかなかったけれど。


動物が痩せているというだけで、なんとも切なくなる。


森に食べ物はないの?

人間の食べ物を覚えた?

あんたはもしかして、母親?

この辺に来たら、エキノコックスが心配と、悪い噂がたつからね。


だから、

早いとこ、森にお帰り。


心の中で、何度も何度も。


こんな事をふとした拍子に考える。


私の場合、例えば洗濯物を干している時のような、わずかな隙間の時間に、小さなあれこれが私を支配するんです。