《解説編》意味がわかると怖い話２９５４ 「5億円と命と犯人と」

大雨の中犯人が瞬間的に運転手に銃口を突きつけるのは基本有り得ない。
なぜなら、窓が開いていれば別だけど、大雨の中で拳銃と腕がすっぽり入る程窓を開けているバカはいないから。
では、犯人がドアを開けて銃口を突きつけてきたシチュエーションを想定すると。。

例えば、視界が妨げられる程の大雨が降っている中、運転席のドアが開いた場合、
雨が入りどんなに鈍感な人でも瞬間的にドアの方を向くと思われる。
その時、運転手の右こめかみに銃口が当たるのはありえないない。
犯人がわざわざ正面を向いてる人間の右こめかみを狙うなんて回りくどいやり方をするとは考えられない。

この状況を証言する場合は、
「ドアが開いて驚いて右を向いたら額に冷たくて硬いモノが…」
など、顔の正面に銃口が向いている証言内容が普通である。
それに、撃ったばかりの銃は銃口が熱を持つし。

結果、これも有り得ない。

男は間違った証言をして墓穴を掘ってしまったのである。

これをふまえて。

まず運転手は相棒が小便をしに外に出た時、一緒に小便をしに行くふりをして持っていた銃で撃ち殺ろす。
そして、一旦死体を木陰に隠し、
輸送車で金や証拠品を実家などの隠し場所に運びまた現場に戻ってきて死体を戻す。
あとは、顔にガムテープを巻き、運転席側のドアを開けっ放しにして偽装工作完了である。

勿論、ドアを開けっ放しにして雨ざらしになったのは相棒を撃ち殺した時に濡れた身体をカモフラージュする為もあるが、
戻ってきて死体を戻した時も濡れてしまったからでもある。
発見されるまでの3時間はこれらの為。

そして、警察は証言の矛盾から犯人は運転手だと確信した。
しかし警察は運転手を逮捕する為の証拠を持っていなかった。
その為に、運転手を呼び出し、その隙に家を捜査する。

流石に凶器や証拠は処分してあった犯人も、5億もの大金をどこにもやる事はできず、結果捕まった。

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