意味がわかると怖い話２９５５ 「赤い糸」

シャールル国から旅にでたルシファークは、友人のティトルと共に魔王の屋敷に足を踏み入れていた。ルシファークは、ティトルより少しだけ先を歩いていた。
「誰も･･･いない？どういうことだ」
「ルシファーク、やっぱり罠じゃないかな？」
「罠なもんか！ふもとの村人も言ってたじゃないか。ここに魔王が住んでいるって」
「そうだけど･･･」
ティトルは少しひ弱な声をあげた。ルシファークはそんなティトルに目もくれず、先を歩いていく。
「でも、やはり何かおかしい･･･」
さすがに不審に思えたのか、ルシファークが呟いた。そして、ルシファークは最初に入ってきた場所に戻ってきた。･･･が、そこであることに気がついた。
「･･･ティトル？」
自分の後ろにいたはずのティトルがいなくなっていたのだ。

･･････ﾆﾝｹﾞﾝﾀﾞﾆﾝｹﾞﾝﾀﾞ

･･････ﾋｻﾋﾞｻﾉﾆｸﾀﾞ

･･････ｵﾆｸﾊｼﾁｭｰﾉﾅｶﾍ

･･････ﾏｯｶﾅﾁﾊｽｰﾌﾟﾆｼﾖｳ

ルシファークの耳にそんな声が聞こえた。ルシファークはティトルも探さず、あわてて外に飛び出した。でも飛び出した先は、また屋敷のなかだった。
「ルシファーク、どうしたの？」
そこにはティトルの姿があった。『あぁ･･･夢だったのか』、ルシファークは軽く首を振り、屋敷の中を進んでいった。だから、気がつかなかった。ティトルの流した涙の先に見えた赤い糸に･･･

･･････ﾏｯｶﾅﾁﾊｽｰﾌﾟﾆｼﾖｳ･･･ｿｳｼﾖｳ 

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