【改題】ひとり公論(IT公論)

アラフィフとなりIT土方卒業したのでタイトル変更しました
こちらはどちらかといえば再録中心

日本の男性は輝いているか

2014-12-04 20:22:44 | 引用
宋文洲
私は特に「女性が輝く日本」がおかしいと思うのです。

ちなみに「日本の女性はもっと社会で大きな役割を果たすべき」という観点においては、私はまったく賛成ですし、そのための政策は大いに応援したいと思います。長年日本のビジネス界に身を置いてきた自分としては、女性が重要なポストに就かないことによって失う着想力や柔軟性が企業の甚大な損失だと主張してきました。

誰でも分かり切った問題ですが、解決が進まない理由は他でもなく、この問題の本質に誰もが触れないからです。たとえば、「日本の男性は輝いているか」という問いに皆さんはどう答えるでしょうか。もし殆どの方々が「いいえ」と思うならば、そもそも「女性が輝く日本」はおかしいスローガンです。

経営を引退して10年経ちましたが、お陰さまで個人としていろいろな国のビジネスマンと付き合うことができました。その中で日本人男性ほど個性を失って輝かない「人種」はありません。日本では女性が重要なポストに就き難いのは確かですが、どちらが輝かないかと言えば、日本女性より日本男性の方がよほど暗いのです。

家族同士の夕食会に誘っても、ほとんど奥さんとお子さん達だけ参加します。北京で3年以上働いている公務員の友人に「今度、絶対家族と一緒に来てね」とお願いしたところ、実現しましたが、「中国に来てから家族同士の会食に出たのはこれが初めて」と聞いてびっくりしました。あの時、パパとママに挟まれながら嬉しそうに食事を食べるお子さん達をみて、私は涙が出そうになりました。

いろいろな国籍の家族が集まる時、だいたい日本人の家族は旦那が来ないのです。忙しいという理由で。では日本企業の生産性が高いのかというとまったくその逆です。わざわざ数字を出すまでもありませんが、日本の労働生産性の低さは昔から有名です。

しかし、「なぜ日本の男性が輝かないか」という質問に私も答えられません。
(略)
私個人としては、常に過剰に我慢しないことを心得ています。長い残業が嫌だから、残業しないことを主張したのです。新鮮な空気を吸いたいから終身雇用が良くないと主張してきたのです。お客さんに媚を売るのが嫌だから「科学的営業の仕組み」を提唱してきました。自分の思いに合う企業がないから自ら起業しました。ずっと組織に束縛されるのが嫌だから43歳の時に引退してしまいました。

自分の中に光の素(光源)を持たない限り、人は輝きません。自ら輝かない人が組織や国家の政策によって輝く訳がありません。男性よりも輝いている女性について「女性が輝く日本」とは日本語の間違いでしょうか、それとも問題の本質への不理解でしょうか。

それにそもそも人間は他人のために輝くのではありません。
自由で幸福な人々は中から明るさが溢れて輝くように見えるだけなのです。