【改題】ひとり公論(IT公論)

アラフィフとなりIT土方卒業したのでタイトル変更しました
こちらはどちらかといえば再録中心

商人の道

2015-09-29 20:42:33 | 引用
田中真澄
「商人の道」

 農民は連帯感に生きる
 商人は孤独を生き甲斐にしなければならぬ
 総(す)べては競争者である
 農民は安定を求める
 商人は不安定こそ利潤の源泉として
 喜ばねばならぬ
 農民は安全を慾(よく)する
 商人は冒険を望まねばならぬ
 絶えず危険な世界をもとめそこに
 飛込まぬ商人は利子生活者であり
 隠居であるにすぎぬ
 農民は土着を喜ぶ
 大地に深く根をおろそうとする
 商人はどこからでも養分を吸い上げる浮草でなければならぬ
 其の故郷は
 住む所すべてである
 自分の墓所はこの世界全体である
 先祖伝来の土地などと云(い)う商人は
 一刻も早く算盤を捨てて鍬を取るべきである
 石橋をたたいて歩いてはならぬ
 人の作った道を用心して通るのは
 女子供と老人の仕事である
 我が歩む処そのものが道である
 他人の道は自分の道でないと云う事が
 商人の道である

 この詩は商人を鼓舞するための詩で、
 農民や女子供・老人を貶(おとし)めるためのものではないと
 理解すべきでしょう。

 この詩に描かれているように、
 商人は孤独な闘いを強いられる職業人です。
 したがって商人は辛抱が人一倍求められるのです。