【改題】ひとり公論(IT公論)

アラフィフとなりIT土方卒業したのでタイトル変更しました
こちらはどちらかといえば再録中心

ハケン「ぎり!」

2009-08-09 06:42:32 | メルマガ移行
【my格言】
-要は、「何億のカネを扱えるヤツ」らをペコペコさせりゃいいんだから。(20080429)

(格言と本文とはほぼ、関係ありません)

 
 
おつかれさまです、龍澤です。

 
 
ちょっと前に「ハケン切り」なんていうコトバが一世を風靡していましたが、今はどうなんでしょうか。。
企業は、世間的な印象が悪くなるのを恐れて「ハケン切り」というリストラをやめたのだろうか。
だったら最初からやらなきゃいいのに。。

 
「ハケン切り」というコトバが一世を風靡したずっと前から、今も、そしてこれからも、ハケンさんっていうのは非常に短いサイクルで現場をクビになり、そして代わりがどんどんあてがわれてゆく。
つまり、代替可能な作業要員であることにはいつも変わりはない。それがハケンの存在意義である。

大量に解雇されればマスコミが騒ぐけど、その報道しているマスコミだってハケンをクビにしている。

ハケンっていうのは、なぜ重宝されるかというと現場からしてみたらクビを切りやすいからだ、というのは自明。
でも逆に考えれば、ハケン要員からすると「すぐに辞めることができる」ということだ。実際、なんだかんだ理由をつけてハケンさんはすぐ辞めるよね。泥臭い仕事をやらされたとかリーダと肌が合わないとか思ったより残業が多いとか。。
そもそも「自分がやりたい仕事と方向性が違う」とか(アンタは単調事務作業者じゃねえの?)

クビも切りやすいし辞めるのも容易。カッコいい言い方をすれば非常に「流動性が高い」ということでもあり。。

ハケン要員の入れ替えサイクルが短い原因は、実はハケン要員自身とハケン会社側にあるような気がしてならないのだが。。(マスコミは、雇用している会社側を叩くけど)
「安かろう悪かろう」というコトバが頭をよぎるね。

 
 
ところで、なんでまたハケンのことを書く気になったかというと。

ちょっと前に僕が勤めてる現場でハケンさんがクビになったんだけど。。(「Aさん」とでもしておこう)
ま、理由はありがちな、勤怠に問題あり(遅刻、突然休暇多し)、勤務態度もイマイチ(すぐタバコ休憩にバックレる)といった感じで。

僕らからみると、ハケンがすぐクビになるのも、そういう勤怠も態度もイマイチなハケンさんが多いのも、もうアタリマエの日常になっている。

 
それでそのAさん、派遣会社からクビを言い渡されたときに、なんで自分がクビを切られるのかわからなかったそうな。

で、ハケン会社の営業が説明したらしい。顧客はAさんのことをこう思ってる、そして実績(何ヶ月で何日休んだか、何日遅刻したかとか)を説明し。。
勤務時間帯に突然1時間いなくなったり、突然休んだり遅刻したりするために、「要員として計算できない」人材である、という烙印を押されたと。(直接本人には、そういうコトバでは伝えないけど)だから、来月から契約はありません、と。

それを聞いてAさんは何といったか。
「じゃあいってよ~ いわれなきゃわかんないよ~」と軽くキレたらしい。

 
 
このハナシを後日談として聞いて、何か、象徴的だなあ、と。。

Aさんは、自分の勤怠が若干悪いとか、すぐタバコ休憩でバックレるとか、そういうのが「あまりよくないことだ」というのは薄々は気付いていたってことだよね。

でも、気付いていても自ら改めなかった。それが問題。

「誰にも言われてないからいっか」と思っていたフシがある。あるいは、どうせハケンだから、これぐらいヤンチャしても(突然休んだり遅刻したり、いなくなったり)フツーでしょ、みんなやってるし、と思っていたのだろう。

その時点で、カンゼンに他人のせいになっているわけね。「指摘しないほうが悪い!」と。

ああ、ムカシも今も(そしてこれからも)、ハケンさんってそういうヒトばかりだったよなあ。。って。僕はあらためて思った。

ハケン会社の営業は、勤務表を毎月確認してるんだから、顧客がクビ切りに走る前にハケン要員には指摘しなきゃならないよね。
自らの悪癖をやめないハケンさんも悪いけど、指摘しないハケン会社も、実は悪い。

Aさんは、ちょっと自分の態度が悪いのだろうということは薄々認識していたが、「クビになるほどじゃないだろう」と高をくくっていた。
ということは、高をくくってはいるが、一応計算はしているわけだ。クビになる/ならないのボーダラインを、Aさんなりに探っているわけだ。

だが今回は、その目論見が外れてしまった。Aさんは自身の勤怠を「ちょっとだけ悪い」と思っていたのだが現場からしてみると致命的だった。

Aさんにしてみたら、いきなりクビじゃなくて、その前に、「警告してくれよ!」とブチ切れてるわけだけど、それって社会人として甘すぎるんじゃないかな~、と、思うんだけどね。

 
今もムカシも、ハケンさんってこういうヒトばっかだけど、昨今、会社員にもこういうヒトが増えてるような気がするんだよな。「なんで言ってくれないの!」みたいな。。すべてを他人、そして環境のせいにするような人材。

「言われなきゃわからんのか? 自分で考えるアタマ持ってないのか?」と、こっちはこっちでブチキレたくなるけど。。
だから「ゆとり!」なんて揶揄されちゃうんだよ。

でも悪いことに、けっこう上の世代でもこういう考え方のヒト、増えてきてるんだよね~
下の世代の悪いとこマネしなくてもいいのに。。

 
 
ムカシから思っているのは、仕事の内容が単調作業だからといってその仕事をナメてはいけないということ。
代替可能な要員だからといっても、その時その瞬間は、その要員はその現場では必要な人材なのだ。だから、突然休んだり遅刻したりしょっちゅうタバコ休憩でバックレたり、とか、仕事に穴を空けてはいけない。
それで困るヒトが必ずいるのだから。困るヒトたちのことを思いやらなきゃいけない。

そんなの、アタリマエのことだ。
でもそれがアタリマエじゃなくなっている時代なんだよね。

特にハケン社員って、みょーに学歴が高い人材が多くて。。でもやることは事務方の支援とかだから、すぐ仕事をナメる。
面接で最初に念を押されているはずなんだよ。「仕事の内容は決してクリエイティブではないですよ、よろしいですか?」と。それを承認して現場に入っているはずなんだよ。(Yesと答えなきゃ採用されないからな。。)
でも、「やっぱり自分の思っていた仕事と違っていた。。」とか、言い出す。

そんなにやりたくない仕事なんだったら、毎日無心でとっとと終わらして、毎日定時であがって、プライベートを充実させりゃいいのに。。(正社員からハケンに転身するヒトたちの理由って、ほとんどがそれでしょ? 「プライベートを充実させたいから」と)

でも、守るべきプライベートも持っていない。没頭できる趣味も持っていない。いかに、稼いだカネを使うか、ぐらいしか考えていない。

それじゃあ、学歴は高いのかもしんないけど、そのヒトの人生のレベルはそれほど高くないよね。
はっきりいっちゃえば、(プライドの高いヒトたちが忌み嫌う)プロレタリアートの生活と何ら変わりゃしない。

 
人生のレベルの高低っていうのは、自身の人生に対する自己満足感の高低で決まると思う。それと、どれぐらい自分の人生を、他人や環境のせいにせず「引き受けている」かどうか。

世の中のハケンさんの多くは、自身の人生に対して満足していない様子がみえるが、なぜ満足していないかといえば、余計なプライドが邪魔をしているんだろうね。「自分は『ここ』にいるべき人間じゃないはずなのに!」と。。(じゃあアナタがいるべきステージはどこなの? とツッコミをいれたくなるけど)

どこに行きたいのか? が明確なのであれば、「そこ」にいけばいいだけのハナシなんだが、「そこ」すらおぼろげで明確になっていない。
そのうち目標設定を明確にすることから逃避して「自分探し」の旅に出ちゃったりするから。。タチが悪い。

 
結局、プライベートを充実させるには仕事もうまくまわさなきゃならないんだよ。

プロレタリアートだろうがブルジョアだろうが、自分に降ってきた仕事を受け入れ、仕事があることとそれにより生活が維持できていることに感謝できれば、自然と自身の人生に対する満足感は向上してくる。
そうすると人生は、好転しはじめる。だまされたと思ってまず、やってみればいいと思う。

明石家さんまさんのように「生きてるだけで丸もうけ」と思えること。「仕事があるだけでありがたい」と、思い込むことから。