クレイトン・M・クリステンセン
わたしは数年前、企業の上級幹部を千人以上集めて行った、大規模な企業幹部向け教育プログラムで、アンケートをとおしてこんな質問をしたことがある。「あなたが現在の職務についてから、. 会社の責任ある地位に採用、登用した人のうち、非常に優れた人材だと結果的に判明したのは何パーセントですか? 及第点をあげられるのは何パーセントですか?不適切な人材と判明したのは何パーセントですか?」。彼らの主観的な評価によれば、優秀な人材は全体の約三分の一、及第点は四○ %、そして不適切な人材とわかったのは一五%だった。別の言い方をすると、平均的な経営者は、判断を誤ることがとても多いということになる。本業の製造やサービスでは「欠陥ゼロ」の品質をめざして努力を重ねるその一方、正しい人材を選ぶという、最も重要と思われる責務では、一五%の「欠陥」率を出してもなぜか許されると思っている。
わたしは数年前、企業の上級幹部を千人以上集めて行った、大規模な企業幹部向け教育プログラムで、アンケートをとおしてこんな質問をしたことがある。「あなたが現在の職務についてから、. 会社の責任ある地位に採用、登用した人のうち、非常に優れた人材だと結果的に判明したのは何パーセントですか? 及第点をあげられるのは何パーセントですか?不適切な人材と判明したのは何パーセントですか?」。彼らの主観的な評価によれば、優秀な人材は全体の約三分の一、及第点は四○ %、そして不適切な人材とわかったのは一五%だった。別の言い方をすると、平均的な経営者は、判断を誤ることがとても多いということになる。本業の製造やサービスでは「欠陥ゼロ」の品質をめざして努力を重ねるその一方、正しい人材を選ぶという、最も重要と思われる責務では、一五%の「欠陥」率を出してもなぜか許されると思っている。