日曜日は朝から宙ガール×島ガールツアーのガイドだったが、港送り後は
アカコッコ館にて『スダジイにできている虫こぶ』についてのセミナーがあり
参加してきました。
自然ガイド「キュルル」のメンバーや支庁、三宅島の森に関わっている方など
たくさんの方々が参加。
ここ数年、スダジイにたくさんの虫こぶ(虫えい)があり、これが原因で
島にあるシイノキのほとんどがどんぐり(椎の実)を落とさなくなってしまいました。
佐賀大学の徳田先生のお話。
アカコッコ館のレンジャーからこのセミナーを開催すると聞いて、とてもとても
楽しみにしていたんです!!
徳田先生の学会発表で新種の虫こぶだという衝撃的な事実に反響も大きく、
また、三宅島はバードアイランドであり、シイノミは鳥たちにとっても冬のエサ
としても貴重な存在。
やっぱり、ガイドしていてもその謎は解けず・・・
非常に興味深いお話を聞くことができました。
しかし、まだ分からないことが多く、継続してモニタリングは必要とのこと。
今まで、秋に大量に落ちているこぶ状の木片が虫こぶだということが
分かってからも、それを割ってみることもなければ、じっくり観察する事も
なかったが・・・
こちらがスダジイの花芽。
この花芽にスダジイタマバエと呼ばれるハエが卵を産み付ける。
このハエ、一日で生涯を終えてしまうため、一日で大量の卵を
スダジイの花芽に産み付けます。
このピンク色の小さなものがスダジイタマバエの幼虫。
虫こぶにはこの幼虫がたくさん入っていて、スダジイの栄養分を
エネルギーにして成虫になっていくそうな。
みんなでルーペで幼虫や虫こぶを観察しながら、2時間のセミナーは無事終了。
現状としては、伊豆諸島南部では青ヶ島のスダジイの100%が虫こぶ。
八丈島でも虫こぶのみの木がほとんどで一部のスダジイでは木の半分ほどが
虫こぶが出来ている。三宅島ではほぼ虫こぶが出来ているスダジイばかり。
花芽に虫こぶができていると、シイノミを落とさないため、三宅島では冬のエサの
8割をシイノミに依存しているオーストンヤマガラにとっては致命的なのです。
継続したオーストンヤマガラの生息数やスダジイの実の状況をモニタリング
していく必要がありますね。(ちょっと心配ですね・・・)
私たち自然ガイドも、継続して島の保全活動に積極的に関わっていきたいと
思います!!!
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