看取り先生の遺言
二千人以上を看取った肺がん専門医。
自身もがんで2012年9月に亡くなった先生が書いた本です。
レビューにもこんな内容が書いてありました。
在宅医療についての本の中でいちばんおもしろかった。
なぜなら著者の意見が明確で、メッセージが強いからだ。
一人の人間の生き様を見せるものになっている。
また、著者が医師本人でなく、ジャーナリストであるので読ませる力がある。
だが、中身は岡部医師の1人称になっている。つまりゴーストライターのようなかたちで書いている。
しばしば三人称になるのはご愛嬌か。
内容は宮城県で在宅緩和ケアの岡部医院を開く、岡部健医師自身の看取りについてだ。
章構成は次のとおり。
第一章 岡部医師のがん闘病記
第二章 がん専門医としての岡部医師の抗がん剤治療についての意見
第三章 岡部医師の自伝。なぜ在宅緩和ケアの道を選んだのか
第四章 在宅での死がいかによいものであるか
第五章 在宅患者が死の前に見る「お迎え」について
第六章 東日本大震災被災で感じたこと
第七章 岡部医師自身の死
一気に読了しましたが、本当に深い、素晴らしい内容でした。
病をおしてまで、後生に道しるべを残していただいたことについて、
岡部医師に、心からの敬意と感謝を捧げたいと思います。