運命と出会う瞬間

映画・小説・音楽・・なんでもありの気ままな感想

ニーチェの自由

2012年08月26日 15時50分08秒 | Weblog
アストラッド・ジルベルトのボサノバ
シンガーズアンリミッテドのアカペラ

・・・高校時代に部屋でいつもかけていた音楽を聴いていると
いつも、とても落ち着く・・・
そういう自分を逃避なのかな、なんて少し後ろめたく思いながら
ひたすら、いまはそこに浸りたい気分。


思い返すと
あの頃の私はとても満足していて
自分をちゃんと好きだったって気がついた。

手の届かない宇宙の謎や真理へのもどかしい思い
天才ピアニストだった親友のような表現手段をもたないのに
美しいものだけは苦しいほど胸に迫って
もてあましていた逡巡はあったけれど
たぶん、私の胸の裡は平和だったと思う。

決して恵まれた家庭環境ではなかったのだけれど
ぐれるとか、には、興味もなく
読みたい本ばかりで忙しかったし
男子とつきあうとかに興味もなく、
ユングだの、宇宙だの、遺跡だの、そんなことばかりに関心があって、
素敵だなと思う男性がいても,
それはあくまで憧れの存在で、
ジェームズ・テーラーやピーター・フォンダに似た上級生だったりして、
言葉すら交わしたこともなく、遠くからその存在を眺めていただけだった。

あれからずいぶんと時が経って
絶対一生結婚しないといわれていたのに
友人の誰よりも早く
はじめてちゃんと付き合った男性と結婚をして
オトコノコ二人も生み育てあげて
ようやくこれから自分の人生。。。と思ったところで
またオトコノコを抱えた男性とサイコンして
活発に動き回る幼児を追いかけながら
三度目の子育てをして6年
今度こそ一生を共に過ごすつもりで共に築いたものも
みんななくなって
どんでん返しでまた独りになった。

たくさんの体験や想いや
たぶん人より遅れて人間のいろんな面を学んで
途中、あんまりにもつらい思いもあったので
心が死んじゃったのかなあと心配になるくらいに
いまでは、自分のことではもう、
泣くことも驚くこともなくなって強くなったなあって感心する。

いまでは
無条件に涙が出るのは
きれいな、空や景色や
神様みたいな何かに出会ったり、感じたりしたとき・・・
あとは、誰かのつらい話や
やっとご飯を食べれるようになった子供たちの写真をみたときとか
誰かのがんばっている姿や痛みや、
やさしさあふれる話なんかには
もう、瞬間的に簡単に涙が出てきてしまうのに

なんだか
自分のことが他人事になり
人のことが自分のことに入れ替わったみたいなヘンな感じだ

心を悩ますややこしいもろもろが
人生からなくなって
あの頃のものに回帰するようになったのかもしれない。
いまは、なんだか、また自由だ。

昨日たまたま開いた
ニーチェの言葉に
「自由、自由というが、本当の自由とは自分に恥じることが何も無いことだ」
っていうのがあって
そうか!やっぱり自由なんだね、これが!って嬉しくなった。
数えてみればきっと
現実では失ったものがたくさんあるのかもしれないし
お話巧みな人達に比べれば何かと生きベタ、アピールベタかもしれないけれど
やるだけやったもの
いつも本当にせいいっぱい想いも真も尽くしたもの

自由は
なにものにも代えがたい。






最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。