無作為抽出の市民が議論 長野JC初の企画 まちづくりテーマ
(信濃毎日新聞2011(平成23)年6月19日(日) 朝刊26ページ記事から)
長野青年会議所(JC)は18日、無作為抽出で選ばれた市民が中心市街地のまちづくりについて議論する初の「長野市民討議会」を、
同市生涯学習センターで開いた。20~60代の男女計24人が参加。「行きたくなるまち」「住みたくなるまち」の二つをテーマに、アイデアを出し合った。
「市民討議会」は、ドイツの市民参加の手法がモデル。住民基本台帳や電話帳などを使って無作為抽出した人に参加を呼び掛け、実際に参加した人には謝礼を払って議論してもらう。
県内では2010年に須坂市が第5次市総合計画の策定過程に取り入れたほか、諏訪圏JCがまちづくりをテーマに実施した。
この日は4、5人ずつ5グループに分かれ、1テーマで約1時間ずつ議論。「行きたくなるまち」のテーマでは、「森のような公園の整備」や「坂道を考慮した電動自転車のレンタル」といった意見が出て、付箋に書いて張り出した。継続的なイベントの開催や、案内板の増設を求める意見も出た。
長野市富竹の団体職員、伊藤訓江さん(33)は「行政の審議会は難しそうだけど、無作為で選ばれた人同士なら幅広い考えが聞けそう」と参加。「違う視点の見方が感じられた」と充実感をにじませた。
長野JCは今回、1500人に参加を要請し、57人が希望した。今回参加しなかった人を対象に、7月2日にも同じテーマで開く。出された意見は、何らかの形で行政に提言していく方針だ。
(三木感想)
公募で行うこともいいが、公募だと特定の市民が応募されることが多く、より多くの市民のご提言をお聞きし、反映するという主旨を実現することができない場合がある。
無作為抽出の市民の場合に、当初は受諾者がいないのではとか、意見が出されないのではとかという懸念があったが、実際行ってみると、杞憂であった。皆さん、ご熱心に前向きなご提言された。声なき声を反映するとはこのようなことをいうのだと思う。
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