須坂のお蕎麦をお送りすると美味しいと喜ばれます。お送りする際には、次のような文章を添えることがあります。
須坂市には、そば製造会社、多くの特徴ある蕎麦店があります。また、江戸時代の「詩本草」という食、旅に関する本に信州須坂の蕎麦が紹介されています。「信州そばの郷」でもあります。
「詩本草」(柏木如亭著。岩波文庫)」
《蕎麦》
蕎麦は信濃を以て第一と為す。その香味、他州の及ぶ可きに非ざるなり。
嘗て書を墨坂大夫の後園に読む。厨下頻頻としてこれを供す。因て「蕎麦の歌」を作る。云はく、
江都は人世の極楽国
口腹何を求めてか得べからざらん、
時新の魚菜奢靡を尚び
燕席争ひ供して勅を奉ずるが如し
昇平の士女愁を知らず
食前方丈公侯に擬す
信山()
の蕎麦物の敵する無し
相魚駿茄遜ること百簿
○墨坂 底本に「黒坂」とあるが、草稿「墨坂」、草稿傍注「スサカ」とあるのに拠って、底本の「黒坂」は誤刻と判断し、「墨坂」に改めた。現、長野県須坂市。千曲川沿いの堀氏一万石の城下町。
○大夫須坂藩家老駒沢清泉を指す。(以下略)