須坂が目指す「ほどよいまち」
「ほどよいまち」が創る「いくつもの日本」
―「自立的地域の構築に関する研究会」報告書の概要― 平成15年6月20日
<問い合わせ先>国土計画局総合計画課
本研究会の趣旨
本報告書は、今後、地域が、人口減少、少子・高齢化等が進むなかで、地域が自立するための「地域のあるべき姿(ビジョン)」を描くことを目的に、平成14年度委託調査として、神野直彦教授(東京大学大学院経済学研究科)を座長に迎え、7名の委員による研究会論議を行った結果をとりまとめたものである。本研究会では、「地域の自立」とは、地域に住む人の生活が持続的に成り立つことであると定義した。
研究会名簿座長神野直彦東京大学大学院経済学研究科教授
報告書のポイント
「ほどよいまち」
地域は、極端に特定の事業・産業や特定の地域に依存せず、ほどほどの産業、ものづくり、伝統文化等が存在しており、住民が地域に内在する資源・価値を発見することから始め、他の地域との連携ネットワークにより相対的な自立をしている「ほどよいまち」づくりを進める。
地域が自立するための基本的視点
住民が、ある程度の生活水準を維持可能な所得が確保される必要があり、コミュニテイービジネス等小規模ながら経済活動が生まれることが必要。
外部からの工場誘致やプロジェクト依存で住民に夢を与えるのではなく、地域に内在している価値ある人、モノ、産業、文化等を発見し、内在的に生まれ出てくる地域の誇りを重視し、生活重視に根ざした地域づくりを行う。
地域の自立のために必要な機能を全てその地域で賄えない中、活溌化している住民活動による新しい担い手により、他地域との間で多元的かつ動的・相対的なネットワークを張り巡らす。
外部からの多様な人材を受け入れ、地域のことを思う熱心な地域のリーダーを育成する。
「いくつもの日本」
各地域が、地域住民等自らの知恵と奮起により、多様な戦略を考え出し、「いくつもの日本」が地域の数だけ作られることが重要。
<いくつかの例>
地域内に存在する資源(自然、町並み、歴史・文化、工芸等)を見直し、宝に変え、地域づくりの中心とする。
住民が住みつづけたいと思うようなまちづくりを進める。
地域社会で必要なニーズをふまえ、新しいコミュニティ・ビジネスの形成、地域独自の産品や生活の豊かさを支える文化・農業・産業の形成、地産地消費等を進める。
地域の各種教育機関が地域産業と協動することで、大消費地に輸出可能な産品を生み出し、急成長している東アジアの利益を受ける。
多様な地域の自立化戦略を支える施策
地域・地域住民からの地域づくりと国等からの計画策定を調和させ、地域の多様で創造性を生かせる国土計画の策定方針の検討
熱心な住民が主体的なまちづくりに関わることを動機づける環境整備
他地域との「ほどよい結びつき」を実現する交通・通信ネットワークや人材ネットワークづくり
先進的事例の取組などが各地に響くような行政からの情報発信
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha03/02/020620_.html