しゅんぎくの1・2・3♪

興味のある事 ・ なんでも日記☆

慶弔

2009-06-03 11:10:47 | 心の扉
長い事ブログに穴を開けてしまいました。
色々と思う所があり、また後半は予定が立て込んでいた事もあって、更新ができませんでした。すみません。


このブログでも以前何度かご紹介した事がある、エメラルドさんの旦那様から、5月17日の日、初めてメールを頂きました。

エメラルドさんとはネットを通じて、バラがご縁で交流が深まったお友達で、初めて彼女と知り合ったのは2005年の11月だったと思います。

基本的に面倒くさがりの私が、彼女とはほぼ毎日メールのやりとりをしていました。
メールの内容は主に日常の事で、家族の事や、今日はこんな事があったよ、こんな物を買ったよ、こんな所へ行ったよ、というような内容でしたから、私が2007年の4月にこのブログをスタートさせてからは、そういう日常はブログに載せてしまうため、私からのメールが滞ってしまう事もしばしばとなりました。

返事に間が空いてしまっても、エメラルドさんはいつも 「いいのよ、メールがなくてもブログで元気にやっているのがわかっているんだから、心配してないから大丈夫よ ^^」 と、言って下さっていました。

そのエメラルドさんからのメールが、去年の7月1日を最後に途絶えていました。
その時もかなりお返事をするのに間が空いてしまい、ついにとうとう怒らせてしまって、愛想をつかされてしまったのかな…
と思い、その後何度かメールを送ってみましたが、エメラルドさんからのメールが届くことはありませんでした。

他にパソコンを使ってメールのやり取りをする事もなかったので、最近ではメールチェックも怠っていて、旦那様からのメールに気がつくのも遅くなってしまいました。

久々に受信ボックスを開いてみると… あっ、エメラルドさんからのメールだ!!

タイトルには 「お世話になりました。」 とありました。
なんとなく、予感はしていました。

メールを開いてみると、エメラルドさんが5月10日に永眠された事のお知らせと、生前の様子が綴ってありました。



エメラルドさんから癌の告知を受けたのは、今から3年程前の事だったと思います。
確か、体調が悪く、病院で診て貰っても最初は原因がわからなかったように記憶しています。
それでもっと大きな病院で受診し、 『子宮内膜間質肉腫』 という悪性腫瘍がわかったのだったと思います。
『子宮内膜間質肉腫』 は一般的に細胞診の場合、捺印標本でなければ診断が難しく早期発見も困難だそうで、エメラルドさんが3年前の5月に摘出の手術を受けた際も、腹膜にすでにたくさん転移していたそうで、全部を取りきることができず、大きな腫瘍だけ取り、後はヒスロンというお薬で広がるのを抑える治療を続けていました。

そのお薬が合っていたのか、今年に入るまで体調はかなり良かったようで、旦那様と一緒にお花を見に出かけたり、お買い物に連れ出してもらったり、家族で旅行に出かけたりされていました。

腫瘍が消えてなくなる事はなかったけれど、大きくなる事もなく、もしかしたらこのままずっと元気で過ごせるのではないかしら… と思うくらい、いつも明るく活き活きとしたエメラルドさんでした。
時々、弱くなる気持ちを打ち明けてくれる事もあり、そんな気持ちを吐露できる相手がいてくれて良かったとも言ってくれました。

メールが途絶えて、とうとう怒らせてしまったのかと思う反面、もしかして体調が悪くなってしまったのかとも思い、思い切って電話をしてみようかとも思いましたが、そのどちらが理由にせよ直接耳にするのが恐くて、結局確かめる勇気もなく…。

旦那様から頂いたメールによると、去年の8月25日に総合病院に入院し、ずっと治療を続けていたそうですが、結局そのまま自宅に戻ることはなかったそうです。
入院が決まってから、エメラルドさんが私にメールで連絡すると言ってメールを打とうとしてくれていたそうですが、結局うまくメールを打つことができず、旦那様が 「かわりに打とうか」 と言っても、 「自分のことだから自分で打つ」 と言って聞き入れなかったそうです。

入院前に骨シンチをしたところ、首と腰の骨に転移が見つかったそうで、おそらくそれで入院する事になったのだと思いますが、私が思うにきっとエメラルドさんは状況がとても悪くなっていると自分で感じていたのではないかと思います。
それで、私がとても心配すると思って、上手く連絡できなかったのではないかと…。

私が失敗したり、凹んだ時には 「いいのよ、大丈夫よ。私だってそうよ(*^ー^*)」 と励ましてくれて、私に良い事があった時には 「良かったね!私もハッピ~♪」 と一緒になって喜んでくれました。
会った事もない私の子供の事もとても可愛がってくれて、いつも私や私の周りの事を認めてくれる、友人のような、母親のような、そんな暖かい存在でした。

私のパソコンの中には沢山の彼女からのメールが残っていて、ひとつひとつ開いてみると、その頃の生きいきとした彼女の、きらきらとした 『生』 が沢山詰まっています。
これらのメールを送ってくれていた時、彼女は確かに生きていました。
入院中の辛い闘病生活や、お通夜やお葬式をこの目でみたわけではないので、彼女がもうこの世にいない、という事が信じられません…。

2人の子供さんは成人し、立派なお仕事に就かれているとはいえ、まだまだこの先の事を思うと、母としての心残りは尽きないだろうと思います。
いつか出会う子供さんの生涯の伴侶となる相手に、母として挨拶したかったかもしれないし、子供さんの晴れ姿を見たかっただろうとも思います。

家庭をもったら、主婦としての知恵を授けたり、もし子供さんに赤ちゃんが授かった時には、新米ママの手助けをしたり、赤ちゃんのお世話をしたり…
そういう子供さんのこれからを手助けできない事や、残された旦那様の事も、どんなに心残りだろうと思います。

私が今、なんとなく過ごしている日常は、エメラルドさんや、命の期限を感じている人達からしてみれば、きっと喉から手が出る位に、切実で尊く、かけがえのない時間なんですよね。
そして、私にとってもこのほんわりとした日常は、当たり前ではないという事に、わかっていてもすぐに温湯に浸かってしまい、忘れてしまいがちです。

今自分が健康だと、癌や病気って、かかるとしてももっと歳を取ってから… って思ってしまいませんか?

私の友達の旦那様の、お姉さん(私と同じか、年下だったと思います)は大腸癌になり、今年に入って亡くなりました。 2人の子供さんはまだ幼かったそうです…。

お向かいさんも大腸癌にかかり、手術をされました。

友達は子宮癌になりました。

友達の妹さんは舌癌になりました。

命の期限は、何も病気だけではありません。

とても親しい友達の旦那様は、交通事故で亡くなりました。
結婚してまだ1年にも満たない、第一子がお腹の中にいた時の事でした。

人はそれぞれ、抱えているものは色々とあり、その問題の大きさは、それを測る人によって、大きくも小さくもなりますが、生きてさえいれば。
生きてさえいれば、きっとどんな問題も、いつかは道が開けてくるものと信じています。

そして、その 「生きていく」 というこの時間は、誰にも与えられた平等なものではなく、だからこそ大事に、大切に捉えていかなければいけないな、と思うのです。

自分が生きている事。
自分の周りの大切な人達が変わらずに傍にいてくれるという事。
見落としてしまいがちな事ですが、これこそが最も幸せな事なんだな、と思うのです。


エメラルドさん、今まで沢山の暖かい気持ちと、励ましをどうもありがとうございました。
エメラルドさんの事は、これからもずっと私の心の中に残り、その優しい教えはこれからの私にいかされて行く事と思います。
そしてエメラルドさんに恥かしくないよう、今以上に自分と自分の周りの人達の事を大切に、生きていきます。


エメラルドさんのご冥福を、心からお祈り致します。。。