新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

豚がエボラを媒介するという新説が注目(コンゴ)

2017-05-30 22:19:43 | エボラ出血熱・EVD・エボラ・エボラウイルス感染症

現在進行中のコンゴ寒村のエボラ騒動。ちょっと面白い展開になってきました。
今回のEVDは豚が媒介しているのではないかと。現在検査中。

  • 今回のインデックスケースは、狩人。発病前に野生イノシシの死体に触れていた(解体して食べたかどうか詳細ありませんが、遠巻きにして離れたというのは考えにくいでしょう)。
  • 現場となったNambwaの8つの村では、豚が84匹(頭)連続死するということが先立っていた。
  • 過去、2011年 Gary Kobinger らの報告では、ザイール型エボラウイルスが豚に感染すること、豚ー豚感染も容易であることを報告している。2009年にはフィリピンの豚からレストン型エボラウイルス感染が見つかり、さらに、その飼育者から同ウイルスの抗体が検出された(型は違うけれど、豚が感染してヒトにうつす状況証拠)

これだけの内容があれば、”豚肉はあぶないエボラ焼肉のたれ”ぐらいな見出しつけて一丁あがりなのが日本の週刊誌でしょうが(笑)、さすがScience系メディアで真面目です。

  • 豚が84匹(頭)連続死するといっても、エボラと即断はできない。アフリカには他にも豚がバタバタなくなる病気はある。Africa Swine feverとか。
  • 今後の経過を見る必要。

2014年の流行では、葬儀で遺体に触れる習慣とともに、「ブッシュミート」が注目されました。コウモリやサルを食べる”ちょっと向こう側の人”のイメージが報道にも出ておりましたが、豚からうつるということになれば印象が大きく変わってきます。真相は如何に。

 

http://www.sciencemag.org/news/2017/05/could-pigs-be-involved-congos-new-ebola-outbreak

Could pigs be involved in Congo's new Ebola outbreak?


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