コンゴの泥沼エボラ、10日付ProMEDにいくつかの面白いディスカッション。特にPHEICの是非について
- 現状、把握されているチェーン以外に、コミュニティで感染が把握されず潜っている。エボラ治療センター(ETC)の襲撃放火事件は痛手、再開はしている。
- エボラ対策に1億4800万ドルの資金を要するとWHO試算だが、実際には1000万ドルも集まっていない。
- 死亡率は60%で、2014年西アフリカの最大の流行のときより悪い数字。2014年以来、実験的治療薬や、ケアの進歩などあったにもかかわらず。感染者が受診してくれなければ、あるいは手遅れになってこれば、助からない。
- 現状ではPHEIC宣言を出すべきだとの意見。隣接するルワンダ・ウガンダ・南スーダンといった国々と数千人の往来が招く拡大リスク。しかしながら、WHOがPHEIC出したがらない事情も専門家推測。現地の政治的地政学的事情。PHEICを出せば、近隣諸国ウガンダやルワンダなど軒並み国境閉鎖してしまい、コンゴ経済に打撃になる。また、武装勢力がそれを取引に使って(援助関係者が仕事をすることを許可する形で、いわば人質に)さまざまな要求を出して利益を得ることになってしまうかもしれない。
戦乱地という以外にも、政治的要因、経済的要因、先般紹介した嫉妬感情、地元民の国際機関に向ける感情、迷信、援助資金不足・・・複雑な糸がからみにからんだ現状です。
http://www.promedmail.org/post/6360031