SARSとMERS,その共通点と異なる点についてまとめ。
- サウジ・UK合同チーム報告@Lancet
- MERSはSARSに比べて、基礎疾患のあるケースでシビアな経過に。
- 調査した47例中45例に基礎疾患あり、また、47例中28例が死亡。SARSでは基礎疾患をもっていた率は相対的に低く死亡率も11%とMERSより低い。潜伏期、症状、肺病理所見は両者で類似。
- ただしMERSでは軽症例が見逃されている可能性あり。さらに、基礎疾患合併についてはMERSの特徴というより、サウジ高齢者のあいだで慢性疾患を有する割合が高いことによるのかもしれないとも。
- 年齢が高く男性に多い(中央値56歳)
- クラスタは2群あり。4~5月のAlAhsaの病院の23例と、もうひとつは家族例3例のクラスタ。
- 死亡率は年齢とともにあがり、60歳以下では48%に対し60より上では75%。人口呼吸を要したのは72%。
- 症状は発熱98%、悪寒ともなう発熱87%、咳83%、呼吸困難72%、筋肉痛32%、下痢26%、消化器症状少数。
- 2例をのぞいて基礎疾患あり。糖尿病68%、腎疾患49%、心疾患28%、高血圧34%、肺疾患26%、肥満17%、糖尿病と腎疾患の両方もつのが約半数。
- 大きく2期に。第一期は4月1日以前で9例のみ。4月1日以降はAlAhsa中心とする、ほとんどが病院関連。この違いはサーベイランス体制による面も
高齢者・基礎疾患のある人々のリスクが高そうと浮かび上がってきたけれど、もともとサウジにそういう人が多いという面も否定できず・・・と7月現在のまとめでした。
ソースはCIDRAP
http://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2013/07/study-outlines-how-mers-and-sars-are-alike-differ