新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

照会・お便りetcはこちらへどうぞ
opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

MERSの反攻?「〇年ぶりのMERS」続々、今度は韓国

2018-09-10 10:20:49 | MERS/マーズコロナウイルス/SARS

国のMERS案件。クウェートから戻った61歳男性例、2015年の大騒動から3年ぶりです。

WHO公式発表@9月9日は:

  • 61歳男性。8月16日から9月6日までクウエート出張。帰国後、発熱・下痢・呼吸器症状で、現在入院加療中。
  • WHOには8日時点で報告あり、医療施設における感染防止措置・接触者調査・リスコミなど速やかな対応により、拡散可能性は低いとWHOは見積もっている。韓国CDCとWHOとすでに連携。
  • MERSが中東以外の場所であらわれることは想定内である(it is not unexpected that MERS will occasionally appear outside of the Middle East)

WHO
http://www.wpro.who.int/mediacentre/releases/2018/20180909/en/
outbreaknews
http://outbreaknewstoday.com/south-korea-mers-unusual-not-unexpected-52760/

興味深いのは当サイトへのアクセス。「MERS」カテゴリーへのアクセスが、昨日急に跳ね上がりました。その多くのアクセス元はgoogle。つまり、当サイトの常連さん以外の方がググっておいていただいた件数が昨日急に増えたということで、韓国でMERSが発生すると(本場中東よりも)常連さん以外に世間一般の関心がぐっと盛り上がるという事実です。

そこでぜひ認識いただきたのが、このMERSという疾患、今年に入って、世界あちこちで不気味に盛り上がりつつある反攻状態にあるという大きな流れで理解いただきたいということです。本場サウジアラビアでは、病院内感染や家族内感染でヒトからヒトに感染したことが示唆されること(クラスタといいます)が何件も起こっています。イギリスでは実に5年ぶりに報告され、リバプールで入院中です。そして韓国も3年ぶり。つまり、昨年も一昨年も起こらなかった国で報告されているということで、今後も可能性否定できません(←これはWHOもnot unexpected と表現)。2012年の初発以来27カ国にわたり2200例以上確定しているこの疾患、次には、豪雨・震災・台風と災害づいているこの国に・・・ということにならないことを願っております。

 


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 9月9日(日)のつぶやき | トップ | 9月10日(月)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

MERS/マーズコロナウイルス/SARS」カテゴリの最新記事