マレーシアのデング熱、昨年にも増して燃え上っており、犠牲者数が昨年同期比倍増という気になる経過をたどっています。
- マレーシア保健大臣Datuk Seri Dr S. Subramaniam 談。これまでで最大規模のデングアウトブレイクone of the largest dengue outbreak
- 犠牲者数が昨年同期比倍増の157例。感染者数が40000例。
- 2回目感染例がどんどん増えていて、2回目は多くの人々が(初回とは)異なるタイプに感染している。デングウイルスは4タイプあり、4回まで感染可能性がある。2回目感染で受診する感染者がどんどん増えており、肝炎、脳炎などさらに複雑な問題を抱えている(More and more patients who are coming in for treatment for the second time, are suffering from liver infection, brain infection and other more complicated problems)
- 特に増加著しいのがジョホールとペナンPenang and Johor。
- 蚊対策、特に早朝と夕方に注意されたし。
日本にヒトスジシマカが棲息し根絶などできそうにない以上、今夏の国内発生を占う上でも、日本と人の往来が多い国の動向は目が離せません。そのマレーシアでは、one of the largest dengue outbreakが進行中で、対前年比倍増の犠牲者が出ているのはかなりイヤなニュースです。さらに、激増地帯のひとつに名が挙がっているジョホールは日本企業の進出も多く邦人数も増えている(実は管理人の産業医先のひとつもここに工場がある)場所であり、産業医学に携わる方々にも要注意です。
媒介蚊対策、あらためて本腰が求められます。
ソースはrakyatpost
http://www.therakyatpost.com/news/2015/06/23/malaysia-faces-massive-dengue-outbreak/
Malaysia faces massive dengue outbreak
【追記】
デング熱の重症化は、初回感染のあと、別のタイプに感染したときにリスクが高まるといわれています。したがって、上記事象が成立するためには、マレーシアで同時に複数タイプのデング熱が流行っている必要がありますが、過去、2000-2012年のマレーシアの状況をまとめたProSの報告では、つねに4タイプ揃って発生しており、ただし優勢なのは毎年変化すると報告されています。
ソースは
http://journals.plos.org/plosntds/article?id=10.1371/journal.pntd.0003159
Epidemiology of Dengue Disease in Malaysia (2000–2012): A Systematic Literature Review
Epidemiology of Dengue Disease in Malaysia (2000–2012): A Systematic Literature Review
- Abdul Hamid Mohd-Zaki,
- Jeremy Brett,
- Ellyana Ismail,
- Maïna L'Azou
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- Published: November 6, 2014
- DOI: 10.1371/journal.pntd.0003159