新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

トリアージュ基準を明示した米ユタ州

2010-05-13 08:57:43 | インフルエンザ:対策/対策の進歩
映画「感染列島」みたいな状況になったら、スタッフ不足の病院はどうするか。治る患者を優先して、回復見込みのない患者にはお引取り願う。ではどんな状態を優先して、どんな状態はお引取り願うのか・・・
そういうディスカッションをあらかじめしておかねばならない、なのに日本ではすすんでないじゃないか!という議論は確かに昨年前半まであったと記憶していますが、H1N1以来、影をひそめてしまいました。

米ユタ州は、そこらへんハッキリと明らかにしています。

 致死性インフル流行しスタッフ不足でベッド限られる状況では、最重症(回復見込みない)患者の治療は拒否される。
 重症熱傷・治癒見込みのない転移癌・致死性遺伝病・多発性硬化症末期・重度認知症は拒否。他の施設を紹介ケアされるが、インフル      の治療はおこなわれない。とユタ州ガイドライン。
 パンデミック極期には85歳以上の入院拒否。回復見込みのないケースから人工呼吸器をはずして他の患者に転用。

こういうディスカッションは日本人の苦手とするところではありますが、避けては通れないところです。

ソースは5月11日付salt lake tribune↓
http://www.sltrib.com/utah/ci_15064072
In flu pandemic or earthquake, Utah hospitals could exclude patients
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