新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

照会・お便りetcはこちらへどうぞ
opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

コウモリからウイルスを人間界に呼び込むサルの食行動

2016-05-26 10:42:18 | エボラ出血熱・EVD・エボラ・エボラウイルス感染症

エボラやマールブルグやMERSやSARSや・・・コウモリが火元の病気はさまざまにあります。では、こうした病気が人間の世界に入ってくるのはなぜなのか。EVDの流行していた頃、自分で捕獲したコウモリを嬉しそうに拡げるJKの画像を当サイトにアップした記憶はあります。しかしながら、ブッシュミートとしてコウモリを食べるだけが、あるいはコウモリとの直接接触だけが(2014年EVD流行の発端は、コウモリが群れいる木の洞で子供が遊んだことだった)ヒト感染のすべてとはいえず、研究が待たれていました。

  • ケニアとタンザニアにおけるCercopithecus monkeys (以下サル)、の研究。
  • このサルは通常、木の実など食べているがチャンスがあれば肉食をすることも観察される。そしてその食行動が、コウモリから他の種へウイルス拡散の原因になる可能性が分かった。
  • サルがコウモリを捕獲し、それを10分から1時間かけて食べることがわかった。また、食べる前に、気の枝でコウモリを引き裂くこともわかった。
  • こうした、コウモリの死体に長時間接触し、拡散する食行動はまた、ヒトの住む集落の近くで展開していた。こうしたことが、コウモリのウイルスをヒトに伝える要素となるのではと推測される。

中間発表的なものですが、コウモリを源とする多くのウイルスがサルを経由してくる可能性が指摘されています。2014年のエボラ騒動渦中で言われつつ、忘れられたような話に、現地人にブッシュミートの習慣をやめさせるために、それに代わるタンパク源を与えなければならない。そのために牧畜業を伝える援助をというものがありました。EVDとは切り離して、村落開発としてそのような動きは以前からあるわけですが、その必要性をさらに強化するようなデータです。

ソースはdailymail
http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-3607199/Could-bat-hungry-monkeys-provide-clues-Ebola-leap-humans-Primates-feeding-habits-prove-key-deadly-viruses-spread.html

Could bat-hungry monkeys provide clues into how Ebola made the leap to humans? Primates' feeding habits could prove key to how deadly viruses spread

  • Bats are known reservoirs of deadly viruses such as Ebola and Marburg
  • These pathogens are zoonotic and can spread from bats to humans
  • Scientists observed African Cercopithecus monkeys feeding on bats
  • The team say the behaviour could offer insights into how zoonotic pathogens spread to other animal groups, including humans

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 5月25日(水)のつぶやき | トップ | 5月26日(木)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

エボラ出血熱・EVD・エボラ・エボラウイルス感染症」カテゴリの最新記事