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シエラレオネの情報通信大臣、WHO発表を叱りつける(エボラ出血熱 EVD エボラ)

2014-12-18 09:17:58 | エボラ出血熱・EVD・エボラ・エボラウイルス感染症

シエラレオネの情報大臣が、先般のWHO発BBC経由の発信に大怒り

  • シエラレオネでWHOチームが、EVD感染者遺体が87体積みあがっていた!と報告しBBCが大きく報じていたが、そのような事を大きく報じるのは国際社会におけるシエラレオネのイメージを不当に毀損するものである。
  • そもそもシエラレオネ人にとって、親戚や友達の遺体をただ埋めてしまうというのは耐えがたいことで出来ないのに(87遺体が積み上げ放置と報道することは)不当なイメージ醸成。
  • シエラレオネでは中国やUKなどの協力を得て体制整備されてきた。(with the help of partners like China and Britain,)もともと検査施設はひとつ、施設40ベッドしなかなったが、今や検査施設は全国10か所、100ベッドになっている。

報道の難しさ。切り取るところの配慮を欠くと、BBCでもこんな事を起こしてしまうという(アングロサクソンの意識が露呈してしまったということなら、BBCだからこそというべきか)教訓。

本質と関係ないところで気になったのは、この大臣が「中国とUKのおかげで(整備された)」と、この2か国だけの名前を出していること。日本も含めた各国が支援しているなかで、中国とUKがうまいこと点数稼ぎをしていることを示しています。そしてこれが将来、シエラレオネの資源獲得で大きく効いてきます。03年SARS流行@北京では管理人自身、さんざん目の当たりにしてきたことですが、感染症流行では水面下で「政治」がフル回転します。あのときも先進各国からの援助競争がおこり、ASEAN+3のSARSカンファの廊下では虚虚実実のいろいろが展開しておりました。今回のエボラをどう国益に結び付けるか、中国とUKが第一ラウンド勝利していることを、はからずもポロリと出してしまった発言です。

自衛隊機で支援物資を持っていった日本ですが、この点で不利な体勢です。シエラレオネには日本国大使館がない。(流行3国で日本国大使館があるのはギニアだけ)。
シエラレオネにも大使館開設の動きがあるやに仄聞はしておりますが、財政当局含め速やかな前進を願うばかりです。

ソースはNew Citizen
http://www.newctzen.com/index.php/11-news/1563-minister-condemns-who-report

Minister Condemns WHO Report

 
By Adeyemi Jackson

 


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