釣の棲家

終の棲家を求め千葉へ移住。旬の魚をすわぶるために迷釣する房総釣行記。

撃沈に泣いた外房・松部フグ

2010年02月23日 13時36分12秒 | 外房
期待していた冬期限定の湾フグは、冬の花火のように数日で消散した。
大場所、大原の外房フグも、今年に入ってから数・型ともに伸び悩んでいる。
そんな中、このところ好釣果が伝えられているのが、
勝浦~行川沖のニュースポットを狙う松部フグ。

おそらく同地で出船しているのは勝浦松部港・信照丸だけと思われ、
25センチ級の良型中心に、ウブなフグたちが大挙して揚がっている。
先週の釣果を見ると、トップは15日55匹、16日58匹、17日68匹の大漁。
しかも、デカフグ中心! とくれば手をこまねいてはいられない。

釣行前日18日は頭35匹と半減したが、その日は首都圏が大雪に見舞われた日で、
勝浦でも朝から結構な雪が降り、フグの活性は芳しくなかったという。
19日の予報は「晴れ」。そこで前夜7時に仕事を片付け、信照丸に予約を入れた。

記憶が正しければ、同宿は勝浦・南総地区で真っ先に冬場のイサキやタチウオ、
アオリイカなどの乗合船を開始したパイオニアであり、
新たな釣り物としてフグ船をスタートさせた開拓精神旺盛な釣り宿だ。

タイトル通り、釣果はゲキチン。港についてデジカメをオンすると「メモリースティックが入っていません」の表示。
これがこの日のケチの付き始め。というわけで画像なし。ていうか撮るものなかった。


午前6時半、釣り人12人を乗せて出船。平日でこの盛況である。
海中展望塔を通り過ぎ、航程わずか10分ほどで最初のポイント、
鵜原沖の水深20メートルで開始となった。
この日の楽しみは、初陣地でのフグ釣りと、
衝動買いしたメタリアゲーム82-160の竿の感触を確かめることだった。

「感度鋭敏!先径0.6mmの細径メタルトップ」

がウリ文句の竿は、すぐに応えてくれた。
手元にアタリが伝わる前の、竿先の微妙な変化が見てとれるのだ。
最近の高価な専用竿を使用している釣り人は、何を今更とお思いかも知れないが、
これまで、外房カットウ用竿はあまり重要視しておらず、
手づくり竿や改造竿などを使用していた身としては、これには目からウロコ。

竿先を注視していると、ヘラ釣りのウキがわずかに上下するように竿先が不自然に動く。
ここで、キュッとアワセをくれると、控えめながらもガツンときた。
上がってきたのは小ぶりのフグだったが、
前アタリで掛けたカットウ釣りに新鮮さを覚えた。

続いて2匹目、3匹目が来て……、
と緊張を切らさずに釣りができたのは開始から1、2時間程度ほど。
釣り開始当初、わずかにオレンジ色に染まり始めていた空は
いつの間にか墨色の曇天となり、やがてみぞれ交じりの凍りつくような世界となった。
肌を刺す冷気より海水の方がはるかに暖かく、
桶の中に指先を入れて暖を取るありさまだった。

海況は凪であったが、澄み潮のためフグの活性はすこぶる悪い。
当然アタリは遠くなり、エサも齧られることもなく、
タイム釣りでのカラ合わせも、空しく海中を切るばかりとなった。

反応を探して船は興津沖、守谷沖、そして港前を何度も探索する。
第一投で船中何匹かあがるがすぐに反応は消え、また移動を繰り返す。
ところが、当たり前のことだが、ポツリポツリながらも釣る人は釣っているのだ。

欲バリを付けた枝バリ仕掛けによく掛けている人もいた。
大原のようにコンパクトにキュッとカラ合わせするよりも、
少し間を取ってスーッとカラ合わせをしていた人が竿を曲げていたようだ。

そう多くもない間口の狭い引き出しを引っかき回し、
あれやこれやと釣り方を試してみたが、フグからの音沙汰はなかった。
最後は、東京湾の寄りフグ時の手強い釣りをしているような心境に陥り、
?マークが頭の中を縦横無尽に駆け巡るばかりだった。

そして、半ばあきらめ気味に震える手で缶ビールに手を伸ばした。
ノド越しの悪さは言うまでもなく、すぐに身震いするほど、冷たかった。

沖上がり間際に待望久しい太陽が顔をのぞかせ、
凍てついた顔を緩めることができたが、
釣況はそのまま変わることはなかった。

この日の釣果はゲキチンの5匹。
3パック目をお代わりした人もいたのに、
1つで間に合ったほどエサの消費も極端に少なかった。

トップ23匹と聞き、不甲斐なさに地団駄を踏むとともに
松部フグへの闘志がフツフツと沸いてきた。



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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ぜひ雪辱を! (fu-goo-log)
2010-02-23 17:12:50
takajinxeさんへ
勝浦沖のフグのニュースポットに行かれたとか。
湾フグほどでなくとも“撃沈”で残念でしたね。フグの気まぐれには困ったものです(^^;;)

私も先日の土曜日、大貫沖で撃沈。何と1尾!もはやオデコじゃなくて幸いというべき貧果でした。
takajinxeさんの闘志に期待します!(^0^)
返信する
fu-goo-logさんへ (管理人)
2010-02-23 17:24:06
fu-goo-logさん

コメントありがとうございます。

寒い上に一度リズムが狂ってしまうと、
思うように修復がきかないのは、未熟な腕のせいです。

同じ外房でも大原のフグよりも
味がワンランク上に感じたのはオドロキでした。

再チャレして鬱憤を晴らしたいと思います。
白子シーズンも楽しみです。






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Unknown (りんりんパパ)
2010-02-24 16:13:29
takajinxeさん、

今回は残念でしたが竿が馴染んでくれば爆釣する日も近いんじゃないでしょうか。

自分も不調気味なので客先の近所の富岡八幡宮に神頼みしてきました(笑)
返信する
お疲れさまでした^^; (HIRO)
2010-02-26 22:02:05
いや~渋い日にあたっちゃいましたね(><)
でもあそこら辺はフグやってる船宿少ないから良い日にあたれば良型がバクバクと・・・
リベンジ期待してます♪
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HIROさんへ (管理人)
2010-02-28 09:24:18
HIROさん

コメントとありがとうございます。

まだ場荒れしていない釣り場なんで期待できるはずです。
次回は頑張ります。
雪の日は釣りしちゃダメよね。
返信する
ゲラ・ゲラ (千葉の隠居)
2010-02-28 10:14:45
世にも悲しい記事を読んでて、自然に笑いがこみ上げてくるのは何故だろう?フグ名人にもそんな事があるんだねぇ。
故人曰く【他人の不幸は我が身の幸福】【友の憂いに我は舞い】ってか。ヘツヘッヘェ♪
元々フグには嫌われっぱなしの隠居(とムラさん)は、近々、大原の富士丸で赤い魚に挑戦する予定なのだ。週末にあわせてあげるるから、メモリースティックの入ったデジカメ持って参加しない?
返信する
ご隠居さまへ (管理人)
2010-03-01 14:16:48
ご隠居さま

コメントありがとうございます。
あったかい太陽の下、ノド越しのええビールを呑みながら楽しみたいですね。

よろしくお願いいたします。
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