釣の棲家

終の棲家を求め千葉へ移住。旬の魚をすわぶるために迷釣する房総釣行記。

東京湾伝統釣法 手バネでシャクリマダイ

2011年05月19日 18時31分26秒 | 船外記
次回の釣行は、およそ3年振りに内房上総湊から手バネを用いたシャクリマダイ(通称「エビタイ」)に出掛けることにした。新釣法の一つテンヤマダイが持てはやされている昨今、改めて伝統釣法に原点回帰してみたい。

道具立て・仕掛けなどは釣り雑誌等でしばしば紹介されているので、
ここでは簡単に触れる程度にする。



手バネ
上総湊や竹岡から出船するシャクリマダイ釣りは、1.2メートル前後の和竿を使用する。通称「手バネ」と呼ばれ、穂先は高価なクジラのヒゲを用いたクジラ穂が有名だが、多くは柔軟なグラス素材を使用し、元竿は主流の竹のほか、ゴルフクラブのカーボンシャフトなどを利用して作られる。



この釣りの愛好家は、テンヤはもちろん手バネなど道具一式を手づくりする人が多い。一つテンヤブームでテンヤづくりが流行っているように、仕掛けから竿まで手づくりの道具でマダイを釣る楽しさを味わえるのが手バネ釣りの魅力でもある。マダイ釣りの伝統釣法の一つ「ビシマ釣り」も同様のことがいえる。



仕掛け
手バネに付けられた糸掛けには、
ナイロンラージ6~7号の道糸を50ヒロ(80メートル)巻いてある。
通常1ヒロは1.5メートルといわれているが、定宿のとう市丸では1.6メートル。

これは、基本となる5ヒロをメートル換算するとちょうど8メートルになりキリが良いから、船頭が腕を広げて測る1ヒロが1.6メートルだから、とかいわれているようだ。



道糸には5ヒロごとに目印を付けてある。仕掛けは8~10号の中オモリを介してフロロカーボン4~5号3ヒロに小型サルカンを付け、同3~4号2ヒロを結ぶテーパー式。これで全長5ヒロとなり、仕掛けの先に小型スナップ付きサルカンを付けてテンヤを接続する。



鯛テンヤ、豆テンヤと呼ばれるテンヤは、
水深や潮流、水温、季節などに応じて1~3号を使い分ける。
一つテンヤ釣りでは冷凍エビを使用するのに対し、
この釣りでは「サルエビ」「アカエビ」と呼ばれる活エビを使う。

エサ付けは一つテンヤと同様、落下中に回転しないよう
真っ直ぐ丁寧に付けることが肝心で、親バリは一度腹に抜き、
180度回転して背側に抜く東京湾スタイル。孫バリは頭に付けるか、
エビが小型の場合は2匹掛けにしてもよい。

投入方法
あらかじめ糸掛けから道糸を数メートル出しておき、
船頭から「○○ヒロ」とタナが指示されたら、
まずテンヤを左右どちらかの斜め前方に投げ入れ、
続いてテンヤとできるだけ離れるよう中オモリをその反対側に投じる。

後は糸掛けから道糸を手繰りだしながら、
中オモリに引かれるままに糸を出していく。
この時、無理に糸を出しすぎると糸ふけしてオマツリの原因となるので、
あくまでも自然に落としていくのがポイント。

タナの指示は、テンヤから竿先の位置まで。
たとえば「20ヒロ」と指示があったら、
2個付いた目印が竿先から少し出るくらいの位置で糸を止める。

目印は、仕掛けの長さが5ヒロあるから最初の印1つが10ヒロ目。
あとは下図のように次の印1つが15ヒロ、2つが20ヒロ、1つが25ヒロ…となる。




釣り方
上の写真は、尻手代わりに付けている竿落下防止用のリング。
いつも尻手をつけていると何かとウザいため、リングに小指をかけて落下を防ぐ。もし大物が掛かった場合は、一つ目のリングに尻手をつなぎやり取りするのだが、悲しいかなまだその機会には遭遇したことがない。

さて、指示ダナまで糸を伸ばし、しばらくそのままの状態でいると、
仕掛けのハリスが伸びきり、わずかながらテンヤの重みが感じられる。
そこから12、3秒間隔で、この釣りのキモとなるシャクリに入る。

海面まで下ろした竿先をス~ッと頭上までシャクリ上げ、
すぐに海面まで竿先を振り下ろす。
竿の上げ下げの強さや速さは臨機応変に変えたほうがよいが、
アオリイカのシャクリのように激しくやる必要はないので、
エビがス~ッと舞い踊るのをイメージして誘う。



糸掛けは、糸を3回巻いた分の長さが1ヒロとなるように付けられている。
途中で「3ヒロ伸ばして」と指示があれば、糸掛けから9回分の糸を出す。
逆に「1ヒロ上げて」と言われたら、3回巻き取ればよい。

アワセとやり取りについては、実釣編で紹介したい。
久しぶりの東京湾伝統釣法、手バネ釣りのエビタイ。
湾口ではノッコミ気配が伝えられているが、
どんな展開が待ち受けているのか、楽しみだ。


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6 コメント

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taka (fu-goo-log)
2011-05-19 23:02:55
ヤル気満々のマダイ作戦、拝見しました。当方、晩酌しながらなので失礼がありましたら、ご容赦下さい(^^;;)。
実は私の船釣りのスタートは熱海・初島周りのマダイ&ワラサ狙い、水面からの指示タナは40mほどでした。仕掛けは腕を広げて1ヒロ1.6m換算でハリス6号を使い、自作していました。当時の熱海「裕海丸」が今も健在なので嬉しいです(^^)。
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胸がときめきます (まるかつ)
2011-05-20 06:37:48
いい記事でした。
伝統釣法について丁寧に解説し、写真も分かりやすくレイアウトされています。このままどこかの釣りサイトで広く紹介されてた方が良い位です。

まるかつ的には使い込まれたシャクリ竿に目が行ってしまいましたよ。チューリップ式のトップ、ナイロンラージ、懐かしい杭の形、私のお道具は最近は出番がなく寂しそうにしています...
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Unknown (りんりんパパ)
2011-05-20 09:21:10
さすがおいちゃん、乙な記事ですね(感動したっ!)

自分の常宿も伝統シャクリ真鯛を続けていますが、ファンが多く、潮が大きい日は賑わってます。

富津界隈でやるエビスズキもそうですがテバネはダイレクトに来るから合わせたときは快感ですね。

そういえばフグで有名な八景のお宿も以前はシャクリやってたなぁ
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fu-goo-logさんへ (管理人)
2011-05-21 06:43:07
fu-goo-logさん

コメントありがとうございます。
その宿、後楽園ホテルそばじゃないですか?
昔乗ったことがあり、上からタナどりでカゴをタナから下ろせなかったような。
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まるかつさんへ (管理人)
2011-05-21 06:53:27
まるかつさん

コメントありがとうございます。
まるかつさんからホメていただくとは恐縮です。
かんざしトツプにお目がいくのは流石です。
最近見かけませんからね。
まるかつさんの道具もぜひ遊んであげて下さい‼
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りんババさんへ (管理人)
2011-05-21 07:02:11
りんババさん

コメントありがとうございます。
鴨居も賑わってるよね。手バネはあの手釣り感が楽しいしょ。年老いたキャプテンは今もやってんじゃないの⁇
ひとつテンヤかな?
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