釣の棲家

終の棲家を求め千葉へ移住。旬の魚をすわぶるために迷釣する房総釣行記。

その15 南房ショウサイフグの白子狩り

2009年06月02日 11時45分11秒 | 南房
外房大原沖のフグ釣りは、産卵期を迎えるため4月一杯で禁漁となる。
ことし「80匹定量沖上がり」の報は数えるほどしかなかった気がするから、
乱獲を防ぐ資源保護の観点から禁漁には諸手を挙げて賛成する。

一方、フグの産卵といえば、呑兵衛釣り師は当然「白子」を連想する。
一年中出船する東京湾のフグ船の釣果で「白子率7割」などと聞こうものなら、
トロリととろける白子に纏わりつくように口中に唾液が広がるどころか、
足の親指の付け根が痛風を恐れてピリピリと引きつってくるから困ったものだ。

ならば、自分で白子狩りに行くしかない。湾フグはシビアなこともあり、
やっぱりフグは「ガツン」を楽しめる外房スタイルのカットウ釣りで攻めたい。
ここ一、二年、白子フグで好釣果をあげている千倉漁港・千鯛丸が
5月下旬からフグ釣りを開始すると聞きつけ、30日(土)に決行した。


上から見ると腹回りがでっぷりとした30㎝級デカフグ

千鯛丸は南房のフグ釣りを開拓、定着させた船宿の一つ。
毎日更新される釣果ブログは船頭の真摯な人柄が伝わり、かねてから乗船してみたい船宿だった。
そして「ETC1,000円」の追い風も、南房への距離を縮めてくれた。

20日の試し釣りでは、底潮が冷たく喰い渋ったとはいえ、
どのポイントでも型があがり5~25匹の釣果。
良型には白子がたっぷりと入っていたそうで、いよいよ白子フグのシーズンイン。

釣友に吹聴した「美味白子料理」に洗脳されたこの日の同乗者は、
お馴染み釣友K君と彼の甥っ子でこの日が船釣りデビューとなったN君、
仕事仲間でフグ釣り大好きのFちゃん、Hちゃん。
そして、前回のアカイカ釣りで白子の話をしたら一発でハリ掛かりしたT名人。
我々以外には、やはり白子フグに魅了された7人の釣り人が集い、合計13人で出船した。
予約順のアドバンテージで我々は右舷を選んで並んで座ったが、
これが結果的に裏目に……。


下から見るとまさにガマガエルのような腹回り。白子たっぷりで大当たりだった

前々日、前日と沖はシケに見舞われ、この日もウネリが残っていて
フグ釣りにはコンディション悪の「底荒れ」が懸念される。
5時過ぎに港を離れ、航程約20分の白間津沖の釣り場からスタート。
水深は35mとやや深場で、少しでも底荒れの影響を受けにくいポイントなのだろう。

3月21日以来、2カ月ぶりのフグ釣りは…、なかなかガツンとはこなかった。
Fちゃん、K君は竿をグニャリと曲げ、30㎝近いデカフグを釣り上げているのに
自分の竿にはピクリともアタリがない。深場でウネリもあるから、当然カラ合せを
繰り返したが、エサはほとんど齧られずにそのまま残っている。

「…??」の不思議マークが頭の中で複雑にオマツリしていた時、
ふとFちゃん、K君、それにフグ初挑戦で初フグを仕留めたT名人の仕掛けを見比べると、
3人とも赤色系のカットウ錘を使っているのに気づいた。
自分が使用していた白色系のそれより、この日の濁り潮に効果があるのかもしれない。

早速、赤色系の錘に代えて投入すると…、これが効果てき面!!
暫くしてガツ、ガツとアタリがあり、合せをくれるとギュンと竿がしなったのだ。
重量感たっぷりの手応えを堪能しながらゴリ巻きであがってきたのは、
30㎝に迫る通称「ガマガエル級」のデカフグ。
上から見ても、下から見ても、迫力あるメタボな胴回りは圧巻だ。


小さいフグでもゆうに20㎝オーバー

片目が開かないHちゃんの錘の色を尋ねると、やはり白系蛍光色だという。
そこで赤系に代えてみるようにアドバイスすると、すぐに結果がでたから、
この時の潮色には赤色系がマッチし、フグを誘惑したのではないだろうか。
潮具合や時間帯、天候などによって錘の色で釣果に差が出ることは認識していたが
この日ほど顕著に結果が表れたことは珍しい気がする。

「今日のような潮具合の時はポイント移動はリスクが伴うので、型の出るポイントで粘りましょう」

船頭は東寄りへの大移動を避け、白間津沖の根を中心に小刻みに潮回りを繰り返す。
野島灯台を見渡せる根回りでは良型のカワハギが多数混じり、
自分には30㎝に迫る尺ハギが釣れたから驚きだ。
専門に狙ってもこのサイズはそうそうお目にかかれるものではない。


29.5㎝の大型カワハギの引きはまた格別。多い人は5、6匹釣っていた

その後はポツリ、ポツリと船中で誰かが釣り上げる程度で、
残念ながらこれと言った時合は訪れてこなかった。
後半は拾い釣りになったが、小型は数えるほどしか混じらず、
25㎝~30㎝のメタボフグが樽を埋めていった。(自分以外)

この日は緩い逆潮で北向きの風。右舷から左舷へと潮が流れていたため、
当然、左舷側の釣り座が有利となり、トップはトモから3番目の釣り人で22匹。
その他の左舷の釣り人も10~20匹を釣っていたようだ。
釣り座の選択ミスとなった我々の釣果は0(開始早々にダウンしたN君)~15匹(K君)。
とはいえ、根掛かりを思わせるデカフグの重厚な手応えを味わえ、釣友みんなが満足していた。


流水で血抜きしながら白子を丁寧に下処理

お待ちかねの白子は意外にも“白子率”が低く、多い人で4割、少ない人は1割以下。
「13匹釣って2匹しか入っていなかった」とFちゃんは嘆いていたが、
少ないながらも珍味・白子の魅惑的な味を心ゆくまで満喫したという。


白子のトロリとしたクリーミーな味を堪能するには白子ポン酢が一番


盛期ほどの味ではないが、テッサはやっぱり旨い


身と中骨を干物にし、軽く炙るだけで飲兵衛の絶好のアテになる


最近はまっているハイボールを特製グラス「山崎」で堪能  ……中身は白角(笑)



↓最近、入村しました。今後ともよろしくお願いいたします。

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