焦らず 慌てず 諦めず 行けるとこまでNO2

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面白い 「ふ ふ ふ」?

2011-12-08 11:38:53 | 日記
先日、井上ひさし氏の本を紹介しましたが、その後も少しはまっています。
標題の「ふふふ」を読みました。(まるで、読書家みたいに聞こえますが・・・)

これを読んで、やっぱり作家というものはすごく勉強しているものなのだ、ということを再認識しました。
   (作家だけでなく、みんな勉強していて、していないのは自分だけだったら・・・、どうしょう!)

私のように、人の書いたものを読んで「あ~そうかなるほど」と受け売り的に知識と勘違いしているのと違って
いろいろな資料を読破して、その中から自分の考えや本質を見つけていると思います。 すごいです!!

これは、某週刊誌の連載を本にされたものだそうですが、現代版「徒然草」的エッセイだとか・・。

    


一つ紹介。
「初めての外国語」 昔、政治軍人には幼年学校出身と旧制中学出身の二大潮流があり、幼年学校ではドイツ語・フランス語を学び、旧制中出は英語を学ぶ。やがて、幼年組はドイツ・フランスへ留学、旧制中組は米英へ派遣されるのが常とか。
東条英機も幼年学校ドイツ班の出身。ドイツに駐在。 その彼が陸軍大臣になると中枢はほとんど幼年学校のドイツ班出身者となった。つまり、ドイツ語を学びドイツへ留学した政治軍人で占められたのである。
初めて習った外国語への愛着が、そのままその言葉が使われている国への愛情になる。そこで、ドイツでナチスの国家社会主義が起こるのを見て、何かステキなものと感じる。そして日本でも同じものをと考えあらゆるものを一党(軍)の統制下に奥日本型全体主義が誕生した。・・・その現象は今も続いている。アメリカのビジネススクールへ留学した英語得意の大学教授が彼の地で流行する経済思想に愛着を持ち、帰国後「市場万能」「なにがなんでも規制緩和を」と英語なまりに唱えるのが、それである。・・・


こういうところに、一つあの戦争へ突き進んだ原因があるという・・、興味深い話だと思いました。

他にも、井上氏の着眼や体験に基づいた、面白い興味のある話が45も載せられています。
トイレで読める短編が私は好きですが、ピッタリでした。
終わりの解説「なぜ「ふふふ」という題になったか、も面白かったです。

どうぞご一読を・・。   「ふ ふ ふ」 講談社文庫 ISBN978-4-06-276241-0   /font>