月曜から飲み過ぎたと反省しておるところです。医大生・たきいです。
カリキュラムが厳しいと噂の某新設医大の話題は、広く現役医大生にも広まっています。あくまでも噂話。あしからず。
なかでも気になるのが、「部活禁止論」に関して。「課外活動はサークル程度に留めよ」という勢力と「部活をしなければいい医者にはなれない」という勢力とが教授レベルで揉めているとのもっぱらの話題です。
その「口論」の中で気になる意見が、「現役医学部教授ともあろうものが、部活をしなければいい医者にはなれないというエビデンスもないことをほざくとはけしからん」との意見。噂によると、オフィシャルのコメントではなく、本音のひとつに過ぎないとのことですが……、
一見すると、正しい主張のように聞こえます。「昔の医学生は勉強熱心でよかった」というのは確かに「教授レベル」では一般論なのでしょう。しかし、少なくとも私には、前述の意見は行き過ぎた発言のように思えてなりません。
エビデンス、ひいては科学は、法則性、再現性を求め、それが他人や次の機会に利用されていくことを求めます。それに対して、実用性がなく、役に立たないように思われる「文学」は、科学の現場で非常に見失われやすく、科学を扱う者は文学を無視してしまいがちです。
残念ながら、行き過ぎた科学は残酷な結果を呼ぶことは歴史が証明しています。かの戦禍から、人類は科学と文学とは両立しなければならぬと学ばなければならなかったはずです。
科学それ自体が暴走することは非常に危険で、別な視点から抑制をかけなければなりません。物事を科学と文学との両面から見つめなければなりません。
医学部は一般的な他学部と違い、個別具体的な経験を重視する「文学」的な要素が部活でしか養われていないのが現状です。そうでなければ医学生ブロガーの数は今の10倍はいたはずでしょう。部活に追われる医学生が多いからこそブロガーの数も少ない。ここにこそ、現状の医学部から部活を取り上げてはならない理由があります。
かつての関係者から言わせるとちょっと面倒臭い話題ながらも、38校目の新設医大を東医体に招くか否かなんて小賢しい議論はもはやどうでもいいのです。とか言っちゃうと後輩たちごめん。先輩の戯言として大義の話を今はさせて欲しい。「現役医学部教授ともあろうものが、部活をしなければいい医者にはなれないというエビデンスもないことをほざくとはけしからん」との意見を野放しにしていてよいのか。このことに私は危機感を感じています。「やりたいやつは部活をできる世の中」であって欲しいと心から願います。
(久々の1日講義はつらい人(笑))
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