眩しかった
思わず
目を閉じてしまうほど…
決して
逆光だったせいじゃない
もちろん
視力が弱ってきたからでもない
なのに…
眩しくて…
微笑みながら話すキミの
目尻の小皺にあらわれた
10年以上の月日の流れ…
もうアラフォーのはず…
初めて見たときはまだ20代?
だったのだろう
たぶん…
相変わらず
ノーメイクに近い笑顔
歳を取っても変わることなく…
キミの年齢は知らない
名前すらもわからない
胸ポケットの名札は目に入るものの
名前を知ったところで…
キミの眩しく輝く瞳と
透き通るほどの白い肌
細く括れたウェストに
プリッと揺れる小尻…
そして
白いスラックスに包まれた
細く長く伸びる脚
それさえ見れれば…
名前なんか知らなくても…
薄い手袋をしていない方の左手の指が
僕の陽に灼けた左腕にそっと触れて…
触れながら
軽く這うように…
それだけで
僕の鼓動は…
不意に
左腕が引き寄せられると
あるのかないのかわからない膨らみを包む
小さな胸ポケットに擦れて…
ウッと
声にならない小さな呻きを
喉の奥で呑み込んだ
世間話のような
他愛もない会話
ふと我にかえって
何かが終わった余韻の如く
溜息にも似た相槌を打つ…
いくつになっても崩れそうにない
魔法のような笑顔の眼差し
話すたびに
後ろで小さく揺れるポニーテール
はち切れる若い子のそれじゃなく
いまの彼女に似合ってる
どうにかなりたいわけじゃない
たまにでいい
大きな瞳の眩しい笑顔と
細く括れたウェストの後ろ姿
たまに目にするだけで…
それだけでいい
コケティッシュな魔法
眩しくて…