ありふれた人生
もう何も考えまい
君が欲しかったものも
僕が欲しかったものも
生きていくことの愚かささえも…
6月末日の火曜日…
梅雨入りして
たしか2度目の
朝からの雨降り
走れない…
嫌がる初孫くんをなだめながら
クルマでこども園に送ったあと…
カミさんも仕事でいないから?
陽の昇った朝っぱらから家呑み!
(こんな暮らしぶりって…)
(そのうちバチが当たりそう!)
(ってとっくに当たってるか?)
(まぁ…考えようによっちゃ…)
(いや!考えように関係なく…)
というのも…
実はチャラ息子が
どこからか入手してきた一升瓶
チャラ息子は呑まないから
自ずと僕のもとに回ってきた
カミさんに内緒?で…
(ってか単に話してないだけ…)
(って言ってもすぐバレるな…)
(テーブルの下に隠してても…)
(サンキュー!チャラ息子よ…)
リタイアしてから
外で呑むことはほとんど無くなったが
特にこの4〜5ヶ月はコロナ禍で
出かけることは全くなかったから
家で安い焼酎以外は口にすることがなく…
ビールも呑みたいとこだけど
久しぶりの日本酒…♡
神様ならぬ
チャラ息子の恵み?
大好きな大吟醸ではなかったものの
舌の上に流れ込む覚えのある風味は…
なんともいえない
懐かしい舌ざわりと喉ごし
ジジイの秘め事?ひと時の幸福感…
大切に呑むことにしよう
この一升瓶…
(って…今日一日で無くなっちゃうかも?ww)
そういえば何年か前
まだ現役の頃…
1日1本
毎日馬鹿みたいに呑み続けてた赤ワイン
ここ数年はほとんど口にしなくなって…
もちろん
近くのコンビニか
ドラッグストアで買ってくれば
すぐに呑めるんだけど…
ワインだけじゃなく
ビールも日本酒も…
たまには外に出て
一時は凝ってたカンパリや
薬くさい?バーボンなんかも
呑みたいところだけど…
何しろ
年金以外には稼ぎのない
プータローのジジイだから
肩身の狭い暮らし…
口うるさいカミさんに
呑むなら働けとか
アレコレ言われるくらいなら…
一番コスパの良い?焼酎で
ひっそりとガマンしてた方がまだマシ…
(ガマンしてないか?呑んでて笑)
(でもあっちの方はおとなしい…)
昨日
こども園から帰ってきて
オヤツにポテチが食べたいと言った初孫くん
近くのコンビニで
買ってくれば簡単に済むことを…
なぜだかカミさんが
じゃあ作ってあげるわと言って
自家製のポテチを作り始めた
まぁ…
ジャガイモをスライスして
揚げるだけだから
簡単といえば簡単なんだけど…
料理得意のカミさんならではの
速攻調理のなせるワザ…
料理だけならなぁ…
軽い塩味だけの
薄くスライスした初孫くん用のポテチ
山ほど…
胡椒もふりかけ
少し厚めにスライスした
大人用というかジジイ用?のポテチ
チョッピリだけ…
いずれも美味しくて…
ただ…
全部食べちまって
少しくらい残しておけば良かった…
今日の家呑みのために?
雨が上がった午後
まるで
僕に走れよと言わんばかりの空に…
今日は走るつもりなんかなかったのに
酔っ払ってるからこそ?
いつのまにか着替えて…
200キロには届かないと思ってた
今月の月間走行距離
最後の月末4日連続の追い込み?で
なんとか…
(そんなに無理しなくても…)
無理してるわけじゃなく…
速くもないのに
走ることだけが
生きてる証か…
酔いどれジジイの
唯一の…
土曜日の男…
必ずすれ違うランナー
往路と復路それぞれ1回ずつ…
(1日に2度もすれ違えば印象強い…?)
いつから
すれ違うようになったのか?
ひょっとすると
ずいぶん昔からなのかもしれない
ハッキリと意識し出したのは
4ヶ月ほど前に
県内のマラソン大会が中止に決まった頃…
中止になったのに
毎週決まったように
同じコースを走ってたから…
僕も
彼も…
(逆ルートだけど…)
今日の彼は
パープルのノースリーブと
黒っぽいレギンスに短パン
いつもの派手目なサングラスで
素顔が全くわからない
僕より小さ目の背丈で
かなり痩せているから
軽い足どりは速そうだ
そして
必ずランニング用のウェストポーチを
身に付けている
何が入ってるんだろう?
知らないけど…
たぶん40代
背も高くなければ
若者と違って脚もそれほど長くないし
そんな見かけから…
でもランニングフォームは
かなり走りなれてる感じがする…
陸上経験者か
経験者じゃなくても
よっぽど走行距離が長いランナーか…
胸を張ってやや前傾気味
腕というか肘は
シッカリ後ろに引きながら…
理想的ともいえる
ランニングフォーム…
僕の見立てでは
おそらくサブ3.5ランナーだと…
(サブスリーランナーはもう少し速いから…)
(ってことはチームの速い奴らと同じ位か?)
それにしても
これほど毎週土曜日にすれ違うなんて…
走力の違いはあれど
ある意味連帯感というか
仲間意識というか…
最近じゃ
週に1度すれ違わないと
拍子抜けするというか
週末が終わらないような
そんなルーティン?
そう思ってるのは
僕だけだろうか?
彼はそんなことなんか
感じてないのかも…?
別に知り合いとか
トモダチになりたいわけじゃない
ただ単に
素人ランナーのジジイが気になってる
土曜日の男…
どこの誰かは
全くわからない…
そんな彼が
ちょっと気にかかるだけ…
どんな暮らしぶりなのか…
ジジイと同じように
走らざるを得ない何かがあるのか…
明日も晴れるか?
なら…
走らなくちゃ!
ピアノだ!
テレビ画面の中で
小さな女の子がフルートを奏でていた後ろの
黒いピアノを指差して
初孫くんが叫んだ…
そう!
ピアノだねぇ〜
よくわかったねぇ〜
たまに
我が家のグランドピアノで
カミさんが弾く童謡に合わせ
無理やり連弾?する初孫くん
ピアノはわかってるらしい
大きくなったらフルート吹く?
それともピアノ弾く?
フルート?
ピアノ?
何を言ってるのかわからないのか
怪訝そうな表情で
僕の顔を覗き込む初孫くん
あっ!
それよりバイオリン弾くか?
パパがちっちゃい頃に習ってたバイオリン!
バイオリン?
○○くんのパパって
子どもの頃バイオリン習ってたんだよ〜
たしかまだ家の中のどっかにあったはず…
パパのバイオリン見てみる?
ウン!
パパのバイオリン見てみる!
何とか見つけ出してきた
子ども用のバイオリン
昔チャラ息子が弾いてた…
たしか
4〜5歳から小2頃まで習ってたと…
小3になると
バイオリンよりも
野球がしたいと言い出してやめちまったが…
知人のお母さんから
こんなに上手なのにもったいないと
惜しまれつつも…
でも
どうせ大したモノにはならなかったろう
芸大にも行けなかった
グウタラ娘のピアノと同じで…
久しぶりに開いた
チャラ息子のバイオリンケース
懐かしいと思いながら
弓を持って弾き方を初孫くんに教えてみると
それなりに何とか音だけは出た
でも
いくら子ども用とはいえ
2歳半の幼児にとっては大きく
首に挟むこともままならないし
手も届かなくて…
パパと同じで
バイオリン弾きにはなれないかも…?
そのうち
バイオリンを壊しそうになったので
今度はグウタラ娘がたまに遊んでた
ウクレレを与えてみた
僕のアコースティックギターでも良かったが
あまりにも大きすぎて持て余すだろうから…
弾き方を少し教えると
ぎこちない指さばきながら
ポロンポロンと真似事…
バイオリンにしても
ウクレレにしても
なんとか音を出せるみたいで
ひょっとしてそれなりに素質あるかも…?
(ジジ馬鹿?)
まぁ…
まだ2歳半だし…
フルート奏者にも
バイオリニストにも
ピアノ弾きにも
なれないかもしれないけど…
平凡に育ってくれればいいさ
勘違いのジジイみたいにだけは
ならないように…
キミの思うまま…
それだけで…
初孫くんの成長…
いつまで
見てられるだろうか?
雨の匂い…
暑い時期の…
なつかしいような
むせかえる匂い…
初孫くんをこども園に送り届けたあと
降り始める前に走ってきた
日課の7キロジョグ…
ずっと治らない
右足首とふくらはぎの痛みを抱えながら
距骨とやらが上手く機能しなくて…
だけど
俄かに感じた
左足首のくるぶし下の痛みの方は…
もしかして
久しぶりの痛風絡みかも…
関節痛という感じではない
何とか
ギッタンバッコンと
ぎこちないランニングフォームで
完走したものの…
走り終えてすぐ
常用の痛み止めに手を伸ばした
オオゴトにならないうちに様子見を…
ジョギングの途中
2人のランナーとのすれ違い
2人とも
たぶん初めての遭遇
こんなに毎日
同じ時間に同じコースを走ってて…
おそらく専業主婦?
だと…
アラフォーくらいの…
1人は痩せ型で
黒いレギンスに短パンと黒いロンT
そして黒いキャップとサングラス
少し大柄だったので
遠目に見たとき男性かと思ったが
近づいてくると
小さく膨らんだ胸が揺れてたので
女性だと…
もう1人は同じくやや大柄だけど
いわゆるポッチャリ型…
見た目にすぐわかるような女性体型
小太りのオバちゃんって感じ?
同じようにレギンスに短パン
ロンTとキャップで…
いくら日焼けが嫌だとしても
この蒸し暑い中でのジョグ
レギンスとロンTで?
コッチは
ハーフパンツにノースリーブだというのに
揃いも揃って…
女の人って
そんなに暑さを感じないんだろうか?
汗もかかず…
たった7キロのジョグで
滝汗ダクダクになるジジイとは違うか?
午後になって降り始めた小雨
洗濯物を部屋干しにして
恨めしそうに
窓から前庭を見やったとき
見つけた…
雨宿り?
してるのか?
ガラス窓にへばりつくちっちゃな虫
名前は知らない
蝶々のようなガのような…
虫を怖がる初孫くんがいれば
大声でムシいる!ムシいる!と言って
大騒ぎになるところだけど…
一寸の虫にも五分の魂…
梅雨空を眺めながら
そんな想い…
リタイアしたジジイにも
いろいろ思うことがあってさ…
だから…
脚が痛くっても
毎日走らずにはいられない…
ってとこ?
ってとこさ…
ボク何歳?
はち切れそうなフトモモを
いとも柔らかそうに折り曲げて
小さくしゃがんだ彼女にそう訊かれると…
初孫くんは
右手の人差し指と中指で
Vサインを差し出した
2歳というシルシ…
恥ずかしいから
声は出さないけれど
何を訊かれたのかは
もちろんわかってて…
朝早く
我が家の玄関前…
近所のアラフォーのお母さん
いつぞやのアスリート女史…
子持ちの専業主婦でありながら?
ロードバイクが趣味(というか本業?)で
何台も所有してて
それだけじゃなく
登山やマラソンも趣味のテリトリーらしく…
小太り気味のスタイルは
イマイチな感じだけど
多彩な趣味に勤しむ彼女の若さが
ジジイには羨ましい…
僕だって
もう20歳若ければ…
せめて10歳…
そんな彼女に初めて会った初孫くん
初顔だから苦手そうな険しい顔つき
それでも女性相手ならまだマシで…
フ〜ン
2歳かぁ…
可愛い盛りだねぇ〜
可愛いというより
最近はイヤイヤ病のピークで
憎たらしいというか…w
ヘェ〜
でも2歳でイヤイヤ病なら
このさき賢くなるんじゃない?
そうなの?
みたいですよ
それにこの勝ち気そうな目つき
将来が楽しみじゃない?
だといいんだけどさ
単なる内弁慶だからなぁ…w
内弁慶かぁ〜w
初孫くん
大人が何を話してるのか
わからないようだったけど…
これから
いろんな人と出会ったり
いろんなことを知る度に
段々と大人になっていく
んだろうな…
気づけば
夏至はすでに過ぎてしまったし
噂の日蝕?も終わっちまって…
再び
初孫くんに振り回される?
日々の始まり…
火曜日の今日はカミさんの仕事日
ジジイだけでこども園への送り迎え
ワガママな初孫くんの相手…
汗だくで手こずるばかり
やっとのことで登園送り…
でも
考えようによっちゃ…
それもまた楽しいか?
そんなこんなで
リタイアした僕の暮らしは
あっという間に過ぎ去って…
少しずつ老いていくのだろう
やがて
いつかは
走れなくなった老体を
どうすることもできず…
枯れた
本物のジジイになってしまうんだろうか?
だろうな…
きっと…
今日は走らない
走る気にならない
なぜだか…
暑くなってきたせいもあるけど…
例年なら
2週間後の7月にはハーフの大会があって
走り込んで調整を進めてるはずなのに…
今月も残りあと1週間
なのに月間走行距離はまだ150キロ
ここんとこ
暑さで長い距離は走ってないから
ついに今月は200キロを割りそうだ
まぁ
200キロにこだわってるわけじゃないけど
ひとつの目安?
走れる身体の…
とうとう今月は
多忙な仕事のせいでもなく
荒れ狂う天候のせいでもなく…
自分自身の身体のせいで…
こうやって段々と…
ジジイになっていくに違いない
そう思うと
なんだか今日はさびしい…