ありふれた人生
もう何も考えまい
君が欲しかったものも
僕が欲しかったものも
生きていくことの愚かささえも…
もう10月も下旬に入った
早いもんだ日々の暮らし
もうすぐ11月だなんて…
単調な繰り返しの老後の?毎日だから
過ぎゆく時の流れが速く感じられるのか?
それにしても涼しくなった
というよりむしろ
朝方は冬並みの寒さ…
(キロ6分切りか〜)
(ジジイと比べてビミョ〜な速さ?)
(アラフォー女子なら速いのか遅いのか?)
そんな誰かのインスタ
朝ランで10℃を切ってるなんて
そんなに寒いんなら
まさにすでに冬でしかないと…
(タイツとパーカーの季節に?)
(いやまだ短パンTシャツで…)
(勘違いのジジイランナーは…)
とりあえず
絶好のランニングシーズン
なのに
走れなくなってから
もう10日以上が経った
エントリーしたマラソン大会のオンライン
1ヶ月の制限期間の半分近く経っても
全く走れずにいる
しかも膝が痛いから
思うようなストレッチも出来なくて…
だからなのか
ここんとこお腹周りが徐々に膨らみ始め
履きなれたGパンのベルト
心なしかキツく感じられ
体重計に乗るのが怖すぎ…
だけど
今週中まではガマンしておこう
走るのは…
少なくとも
金土日のあと3日は…
まだまだ走れる状態じゃない
なかなか引かない左膝の痛み
ひょっとして
鵞足炎だけじゃなくて
別のトラブルも発生か?
尿路結石で走れなかった以外
こんなに長く走れない期間は
今までになかったし…
徐々に痛みは治まってきているものの…
ジジイのランニングシーン
誰もがコロナ禍でなかなか走れなかった
春夏とは違って涼しくなった絶好のいま
指をくわえてランナーたちを見やるだけ…
何のバチが当たったんだろう?
何のバチが…
それにしても
食べすぎ!
呑みすぎ!
の食欲の秋…
めっきり涼しくなった
涼しいというより寒いくらいか?
ランニングには絶好のシーズン到来
ついこの間まで
暑さに喘ぎながら走っていたというのに…
なのに
走れないなんて…
地元のマラソン大会のオンライン
すでに開始から1週間の土曜日
チームの速いメンバーたちは
早々に42キロを走りきったらしい
なのに
このジジイときたら
なかなか治らない左膝の痛みに呻くばかり
治らないどころか
ますます痛みが増しているような
歩くことさえ億劫になってきて…
このまま治らないのなら
整形外科へ行った方が良いのだろうか?
もちろん良いんだろうけど…
でも行ったって
どうせテキトーな診断?
抜本的な治療というか
回復に至ることはなく…
医者なんて
そんなもんでしかないと思ってる
昔っから…
画期的なほど治癒して
元どおりになることなんてあてにできない
というより
人間の身体自体が
そんなつくりなのだろう
完全に治癒することなく
病気や負傷を繰り返しながら
段々と老いていき
やがては死んでしまうということか…
それにしても
今回の痛みはやたら長く続いている
1ヶ月は経ったか…
痛みが治らないのに
走り続けたせいもあるだろうけど…
これまでの痛みとは格?が違うような
なにか致命的な?
よくわからないけど…
かかりつけの内科医院の
背の高い先生に処方してもらった
よく効くというあやしげなシップ?
1日に2回(枚)以上貼っちゃいけない…
とっくに無くなってしまい
今は市販のシップを貼ってるものの
すぐに治りそうな気配はなく…
このままじゃ治る前に
マラソン大会のオンライン期間
終了してしまうかもしれない…
それも致し方ないか?
そんなもんさ
どうせこれからの人生なんて…
なかなか
思うようにはならない
退職してから
まともに走れたのはたったの1回
あとは全て故障中で不本意の…
この歳になれば
身体のどっかが具合悪いのは当たり前?
20代や30代の若者じゃないんだから…
もうウルトラ100kなんて
走れないんだろうなぁ…
寂しいなぁ…
曇りで気温の低い一日になるという
そんな予報だったのに
いつのまにか明るい青空が広がり
夏のような陽射し…
絶好とも言えるランニング日和
なのに…
走りたくても走れない
今日は…
というのも…
昨日の土曜日
午前中
走ろうとしてランニングアプリを立ち上げると
予想どおりマラソンのオンライン大会の通知が
アプリから…
モチベーションも上がって
いつもならすぐに計測しただろうが…
膝の調子はまだまだ本調子じゃなく
悪いタイムがそのまま記録されても困るから
大会用の計測は選択せず
しばらく走って様子を見ることに…
ところが
いざ走ってみると
思ったより膝の具合は良くて
金曜日までほとんど走れなかったのが
まるでウソのように軽く感じられ…
ひょっとして
膝を痛める前くらいの好調な走りが
出来るんじゃないか?
もしそうなら
オンライン大会用の計測として
記録を残してもいいんじゃないか?
そう勘違いしたのが間違いだった!
予想を上回る好調なペースで走れたのは
ほんの5キロあたりまで…
5キロを過ぎて俄かに
膝に繋がる内転筋なのか薄筋なのか?
膝から股関節までの内側の筋肉に
鈍い痛みが発生し出した
(アレッ?)
(これはヤバいぞ!)
(マジにヤバいぞ!)
思わずアシを止めて歩き出すことに…
というより
歩かざるを得なかったという方が正解か?
順調だったそれまでとは裏腹
今まで感じたことのない筋肉の痛み
肉離れとはちょっと違う…
何度か走ろうと試みてみたものの
その度に膝の方にも痛みがぶり返し…
すぐに折り返して引き返すことにしたが
ときすでに遅し
痛みはどんどんと大きくなって…
やがて
見るからにビッコを引きながら歩く始末…
何とか我慢しながら
駅近くまで来たとき
顔見知りで悪友でもある
タクシーの運ちゃんが
ビッコを引いて歩く僕を見つけた
おぅ!
どうしたんだ?
無様なサマは…
ヨボヨボのジジイか?
乗ってけよ!
家まで送ってやるよ…
家までは残りわずか1〜2キロだったが
いつものように走れないどころか
まともに歩けもしない手負いのジジイに
彼の言葉は天使のように聞こえ…
おお!
ありがたい〜!
持つべきは悪友?
か…
一夜明けた日曜日の今日
痛みは全然引いてない…
歩くのもやっとだ
これじゃ
当分は走れないだろう
当分?
オンライン期間の終わる頃までに
走れるようになってるだろうか?
ひょっとして
戻れないのか?
もう元に…
(Go to 診察?)
マジに
やられた!
やられちまった…
走ってるときとはまるで別人の表情
さながら少女と同じ殺人的な笑顔…
エロジジイランナーを殺すにゃ刃物はいらぬ
アスリート女子たちの無垢な微笑みだけで…
やられちまった…
カミさんが愛用している有名なサプリ
もう何年も前から…
だけど
そのおかげで
いつまでも若々しいとか元気だとか
そんな雰囲気は全く無いような…
少なくとも
僕の目にはそう映っている
さほど老けた感じはしないものの
驚くほど若く見えるわけもなく
いわば歳相応に…
(髪を染めてなければ立派なBBA!)
(かく言うオレもほとんど同じか?)
それにしても
ずっと続いてきた定期購入
累積費用も決して安くないから
やめればいいと僕は密かに思ってるけれど
いまさらやめるわけにもいかないか?
やめれば
一気に老け込むという呪縛?
恐るべし!
サプリメントというヤクブツの魔力…
今日も歩いたり走ったりしながら
10キロ以上はこなしたいと
いつもの11キロのジョグコースをゆっくり…
のつもりで走っていたが
途中で徐々に強まってきた尿意
暑い真夏の時期なら
汗で飛んでいく身体の水分
涼しくなった今
汗はそれなりにかくものの
余分な水分は膀胱に溜まり始め…
11キロコースの折り返しとなる6キロ地点
どうしようか迷った
このまま折り返せば
残り5キロの途中にトイレはない…
スロージョグの5キロ
30分以上は要する計算…
もつかもたないかビミョ〜な時間
というよりもってもギリ…か?
もう少し距離を延ばして
13キロコースに変更すれば
折り返しの7キロ過ぎに公園の公衆トイレが…
しかし左膝の痛み
昨日よりはマシだとはいえ
決して治ったわけではない
治ったと言うにはほど遠く…
出来るだけ短い距離の方が
膝の負担も少なくて済むし…
さぁどうしようか…
距離を延ばして公園までまっすぐ進むか
交差点を曲がって
途中やむなくの立ちションを選択するか…
それほど尿意がひっ迫してたわけではないが
走り続ければ家にたどり着くまでに
早晩その状況に陥ることが目に見えてる
今までの経験から…
実は
余儀なく立ちションをしたことも
過去に2〜3回はあるが
このコースではなく誰もいない山の中…
今日は車も人も通るコース
ジジイの立ちションなんぞ
醜いことこの上ない…
誰も見たくもない…
ってか
立ちションって軽犯罪…
だっけか?
悩みながら
痛い左膝に謝りつつ13キロコースへ直進
公園まで20メートルばかり高くなる坂道
頑張って登りきって下ればやがて公園だ
痛い左膝には結構な負担になるけれど
少なくてもそこまでなら尿意は大丈夫…
そう自ら鼓舞しつつ…
左膝を庇いながら坂道を無事に克服して
公園へ近づいた7キロ地点
公園の方から
僕と同じようにジョギングのジイさんランナー
もちろんヨボヨボというわけではないが
いかにもジイさん特有の猫背フォームで
遠目にもすぐジイさんだとわかる…
軽く会釈でもしておこうかと構えていたが
すれ違いざまに僕の前に立ちはだかった!
(えっ?なに?白髪まじりのジイさん!)
あの〜
すいません
今年の○○マラソンとか出ますか?
あっハイ…
今週末から始まるオンラインの大会ですね?
一応エントリーはしてありますけど…
そのアプリの使い方なんですけど
よくわからないんで教えてもらえれば…
(え〜っ?今走ってる途中だぜ〜!)
(ジョギング中にそんなこと聞く?)
(しかも会ったこともない他人に!)
TATTAってヤツですね?
でも実は僕も入れたばっかりで
大会期間が始まったら
若い連中にやり方を教えてもらおうかと…
競技をしている方たちですか?
まぁそんなとこです
そうですかぁ〜
どうもすいませんでした
(なんだよ…簡単に引き下がるのか?)
(立ちはだかって呼び止めた割には…)
いえいえ
こちらこそおチカラになれなくて…
お互いに頭を下げて走り出したが
思い出したように
ありがとうございました〜!
という彼の大声が背中に響いた
あまりの大声にちょっとびっくりしたが
振り返らずに右手を上げながら走り去った
ほんの1分ほどの間だったろうか?
それとも2分?
予想もしてなかった出来事…
走ってれば
こんなこともあるか…
それにしてもあのジイさんランナー
どうして走ってる最中にそんなことを
僕に聞いてきたんだろう?
別に僕じゃなくても
自分の周りに方法を知ってる誰か
若いヤツらでもいないのか?
それとも
すれ違おうとした僕が若く見えて
アプリに詳しそうに思えたのか?
オレンジ色の派手なTシャツで
少しばかり背が高かったから若そうに?
でも間近で顔や格好を見てみたら
白いアゴ髭と茶髪染めの歳相応の
同じようなジイさんだとわかって
教えてもらうのを簡単に諦めた?
というより
走ってるヤツに手当たり次第
訊いてるのか?
かもしれない
な…
周りにオンラインをエントリー済みの
仲間がいなければ…
ガンバレ…
歳相応の同じようなジイさん
無事にオンライン大会走ろうぜ…
そんなことより!
そんなことより!
トイレ!
トイレ!
思い出したように
僕は公園のトイレへ向かった
尿意とともに
忘れていた膝の痛みも
俄かに顔を出しはじめ…