不意に後方から聞こえてきた足音
やたら速いステップ
振り向くと同時に
少年は僕をあっという間に追い越して
軽く駆け抜けていった
僕とて遅いとはいえ
いわゆるゆったりとしたスロージョグじゃなく
キロ6分くらいの普通のジョグのはずなのに…
少年のスピードはキロ4分くらいだろうか?
或いはもっと速くて3分台だったかも…
前を行く彼の後ろ姿
お尻にくっつくほど跳ね上がった脚
バネのある弾むようなフォーム
羨ましいと思いながら
若々しい後ろ姿を見送った
おそらくまだ中学生
僕よりも50歳以上は若い…
50時以上って
50年前なら
このジジイだって…
そう思って
そんな速い少年と比べていること自体
笑い草でしかないのだが…
とうとう今日で
パラリンピックが終わった
なんだか寂しくなる…
ハンデがあるのに
健康な人々より優れている彼ら彼女たち
ひと通りのことしか言えないけど
それなりの生きる勇気をもらった
あと何年
生きられるかわからないけど…
特に彼女!
僕より20歳以上若いとはいえ
目が見えないのに
42キロを僕より1時間も速く
3時間で走りきるなんて…
いくら年老いたジジイでも
男として女に負けるのは情けなく…
そう思うのはアナクロ?
今の時代じゃ通じない?
んだろうなぁ…
それでも
あと20歳若ければ
このジジイだって…
って言ってるようじゃ
やっぱり時代錯誤のステレオタイプ
笑い草でしかないか?
笑い草だよなぁ…